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球児の夢
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球児の夢 9

無念さを滲ませながら下平は引き上げていった。
四回戦にコマを進めた国浜の次の対戦相手は古豪の河北工業である。河北工業はかつて甲子園出場を果たした経験のある高校であるが、最近は四回戦前後と苦しんでる感がある。そんな河北工業のエース中田は、小林同様シンカーとカーブの二球種を武器とするピッチャーであった。

今大会河北工業はCシード。古豪復活に燃える河北工業と勢いに乗る国浜との激突が始まる。
投球練習を開始する小林。
バシッ
「(よし、球が走ってるな)」
受ける沢井は満足そうだ。そんな小林の投球を見つめるのが河北工業の監督だ。河北工業は二年時に活躍していた小林に目を付けていたが、彼が故障したことで怪我の再発などを懸念して見送った過去がある。
そして試合が始まった。試合は7回まで両投手の好投で0対0だった。しかし8回表河北工業の攻撃5番6番を打ち取り7番の屋島に第1球を投げた時に小林の肩に激痛が走った。100キロにも満たない力のないボールが高めに浮く。それを見逃す訳がなかったセンターオーバーの2塁打しかし小林は肩の痛みを黙っていた,皆を心配にさせないために。8番の日高は3塁線にバントをする,小林はすばやく処理をして1塁へ,しかしまたその瞬間に激痛が走った。大暴投だ,ランナ-が還って先制。その異変にキャッチャ-がきずく。。。。。。。。。
「タイム」
沢井はマウンドの小林のところに行った。
「先輩どうしたんすか?」
平静を装う小林。
「…小林、交代しろ」
「な、何言ってるんすか?球が抜けちゃったのは偶然っすからまだまだ…」
沢井は小林の両肩を掴んだ。
「いいか?お前はまだ一年なんだ、無理をする必要はない」
「……」
「これで投げられなくなったらどうするんだ?一生後悔するぞ。後は俺達に任せろ」
「くっ…」
肩を震わせながらマウンドを降りる小林。
小林は怪我が癒えてから早期復活を目指し、オーバーワーク気味になっていたのだ。

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