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球児の夢
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球児の夢 1

今から話すのは甲子園という大舞台を目指して白球を追い掛けた20人の球児の物語である…。ここは〇〇県立国浜高校…周りからは『くにこー』と呼ばれている弱小チームである。部員は3年生6人、2年生9人、1年生5人の20人でやっている。「おい1年、しっかり足揃えて走れよ!」主将の小山の声がグランドに響く。声が小さい、集中力もない…弱小チームの典型だ。新チームになってからまだ勝ったことがない…。しかしこんなチームが変わるきっかけとなる事件が起こるのだ。
事件の前の日、いつものように練習試合が行なわれていた。 「7回終わって20対0か…。」 主将の小山が嘆いていた。すると、後ろから話声が聞こえた。 「まだ終わんねぇの〜。」「もう負けだよ。帰ろうぜ。」 話していたのは三年の部員である。この言葉に小山は激怒し試合の途中で帰ってしまった。 次の日、部員は小山が昨日の帰り交通事故にあい、全治3ヵ月と言う事を知った。 「…予選に出るのは無理だそうだ。」 顧問は続けた。 「だが…甲子園に行けば…。」 皆顔を見合わせ頷いた。
しかし三番でショートである小山が抜けたことは痛かった。ただでさえ貧打な打線なのにクリーンアップが欠けたということはさらに得点力が下がるからだ。顧問である島中も頭を抱えていた…そんなある日、1年生でライトを守っている荒木をショートを守らせる案が浮上した。荒木は誰もが認める努力家だ。しかしその案に反対する者が約1名…3年生でセカンドの控えの阿久根である。
「なんで荒木をショートにすんだよ!俺にやらせろよ!」
能力的には阿久根の方が高いのかもしれないしかし、この阿久根の意見は副キャプテンの大橋に却下された。
「お前のせいで小山が事故にあったんだ。」
そう、阿久根が試合中に愚痴を言ったせいで小山は激怒し試合途中に帰りそして…
「なんだよ。俺のせいかよ!小山が自分勝手に怒って、自分勝手に帰って、自分勝手に事故ったんだろ。」
大橋は阿久根の右頬を殴った。
「…………」大橋は無言で殴った。「…くっ…そっ…てめぇ!」阿久根は殴られた右頬を触りながら拳を硬く握った。そして殴り返そうと大橋の顔をめがけて腕を振り下ろす…が止めた。いや止まった。大橋の涙が目に止まったからだ…「…逃げるなよ…」涙で声をひきらせながら大橋は言う。「こうなったらもうやることはひとつだろ!?あいつの気持ちわかるだろ!?甲子園いこうぜ……」

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