PiPi's World 投稿小説

クエストフォースエピソード3約束の地に
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 9
 11
の最後へ

クエストフォースエピソード3約束の地に 11

ヴィンには何を言っているのか理解できなかった、しかし師匠に歯向かえば後が恐ろしい。ヴィンは試しに目を閉じてみる事にした、目を瞑れば心の目が理解出来るかもしれない、そう信じての事だった。
横腹、頬、背中、痛みがはしった。ヴィンは間違いなく死に向かっていた。―このままでは理解する前に死んでしまう!―そう思い師匠に視線を移すと、師匠は笑顔で数回頷くだけだった。
「くそぉ…、どうする、目を瞑れば殺されるし、攻撃しても当たらない…、そうだ、考えるんじゃない、感じるんだ!!」 
でも、どうやって。
「この世の全てのモノには命があるの。」
誰かが、オレに語りかけてくる。
女の人だ。
でも、それは師匠でなければ、エミュでもない。
ただ、懐かしさを感じる。
「全てを知ろうとして。風の息吹を。大地の呼吸を。水の流れを。
そして、人の生きる力を。」
ヴィンの中で何かが閃いた。

感じる。確かに感じる。
風の息吹を。大地の呼吸を。水の流れを。
そして、人の生きる力かが。

ヴィンは剣を横に構えると狼を睨む。
「遊びは終わりだ!!超級魔斬剣!!」
ヴィンがそう叫ぶと、師匠は目を見開いた。
「超級魔斬剣!?」
「うおおおお!!」
一瞬だった、ヴィンの姿がいつの間にか狼の後ろにある。狼は初め全く動かなかったが、次第に傾きゆっくりと地面に倒れた。
「やった…、師匠俺やったよ!!うげっ!!」
ガッツポーズをきめるヴィンの頭に拳骨が飛んだ。
「驚かせないでください、超級魔斬剣なんていうから本物かと思ったでしょ、本物に比べたらさっき貴方の技は魔斬剣にもならない、“斬”って感じです」
「ざ、斬ですか」
「そうです、さっきの技を使う時は“斬”と言いなさい」
「技使う時にわざわざ名前叫ばないといけないんですか?」
「たく…、そんなんだから強くなれないんだ」
師匠は頭をかかえると続けて説明した。
「いいか、名前を叫ぶ事でモチベーションを上げるんだよ、技なんて気合入ってないと使いもんになりやしねぇ、分かったか!!」
ヴィンは目を点にして頷いた。
「分ればよろしい、さてフェンリルの首を斬ったら金もらいに行くぞ、そしたら次だ」
「次って…」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す