一年に一度の恋 3
あたしはそのまま思考の迷路に入り、無意識のうちに耳から入り込んでくる流行りのポップスを口ずさんでいた……
「う○こ〜なが〜したー……みずーにーなが〜した〜」
目の前の子はキョトンとした顔をしていた。
「あ、その曲、水洗式?」
彼女はそう言うと、その歌について語り、あたしもその話題にのり、二人でその話に花を咲かせた。
『おかえりなさいませぇ〜 お嬢様ぁ♪(笑)』
いつの間にやらその子のお店に引き込まれていたのだった。
『ご注文は何になさいますぅ〜?』ニコニコ
あたしはメイドカフェとか来たことなくて、でも頑張って注文した。
『ぢゃこの萌え萌えパスタと、うさぴょんアイスティーください』
『は〜い お嬢様ぁ(笑)あとデザートとかゎいかがですか〜?』ニコニコ
(いらねっつーの。早くここから出たいよー)
断り切れないシャイな自分にやり切れなさを感じながら、そのカワユスなメイドは笑顔をふりまいて話かけてくる。
『は〜い出来ましたよぉ〜 おくちにアーン♪ハァト』
(うはwww)
『おいしいでちゅか〜?よかったですぅ♪ あっお嬢様ぁ♪ 萌え萌えゲームの時間ですぅ』
(なにそれー?)
『萌え萌えじゃんけん じゃんけんぽーん♪ あっ負けちゃったー(笑)』
『罰ゲームのチューぅ☆ ハァト』
(ちょwwwでもなかなか楽しいぢゃん)
そうかっ!あたしに足りなかったのはこれかー!!
あたしはルンルン気分になって、口ずさんでいた…そう!あの歌を…。
『今日のウ○コは浮いたぁ〜♪Happy〜♪』
すると、笑顔で歌ってるあたしに、カワユスなメイドか話しかけてきた。
『ここだけの話なんですけど、今度新曲が出るんですよ〜♪』
あたしは目を丸くした!!
(新曲?そんなの聞いたことない!!)
カワユスなメイドはあたしにそっと耳打ちした…。
『コ…ダ……キッ!』
(ん?回りが騒がしくてよく聞こえない!)
あたしは眉間にシワを寄せながら『え?』と聞き返した。
『コエダメシキ♪です』
そのカワユスなメイドが言い直した…。
(この時代にコエダメシキ??)
とても不思議な気分になった…。
そして、彼女の存在も不思議に思えた…。
ふっと…その時、あたしの頭にアイツが過ったのだった…。