はみんぐデイズ 63
「アレって言ったらアレですよ〜ハリ、カリン先輩に教えてあげて♪」
「任せとけ!お泊まり会といったら、ま…」
「………恋バナ」
「「「えっ!」」」
予想外の人物の予想外の発言に驚きを隠せないハリ達。
「こ、恋バナ…」
「ソレだよ、ソレ♪でもラムネちゃんの口から出るとはね〜」
「………前に小説で読んだ」
「な〜る♪そういえばハリは何て言おうとしてたのかな〜?」
「うっ…いや、あたしは…」
ヒナの追及を逃れようとするハリ。
「ら、ラムネちゃんに恋バナは早すぎる!というわけで…」
「というわけでハリからね〜♪」
しかし残念ながらそんなごまかしがヒナに通用するはずはなかった。
「ま、どうせハリは会長だもんね〜♪」
「なっ!ヒナだってミツルのことが好きなくせに!」
「くっ、そんなわけ…!あ、でもハリが否定しないってことは…」
「何が言いたいんだよ!」
殺気を立ち昇らせながら睨み合う二人。その殺気を打ち消したのはラムネの一言だった。
「………カリンちゃんの好きな人は?」
「えっ、私?私が好きなのはシ…」
カリンが頬を染めながら答えようとした時、女の子部屋のドアが勢いよく開いた。
「枕投げしようぜ!」
ドアを開けて入ってきたのはミツルだった。
「女の子の部屋に勝手に入ってくるなー!!」
そう言ってハリはミツルに枕を投げつけた。それが仁義なき第一次枕戦争(二次以降があるかは不明だが)の始まりだった…
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「くっ!何でこんなことに!ハリ、喰らえぇぇ!!!」
「枕よ〜あたしを避けてミツルに当たれ〜♪」
ミツルはハリに枕を投げるが、ハリの<歌>によって阻まれる。
「ぐっ…こうなったらヒナ、喰らえぇぇ!!!」
「ウインドリフレクト〜♪」
ミツルの投げた枕はヒナが作り出した風の盾に弾かれ、2倍の威力(当社比)でミツルにヒットした。
「ぐはぁ!はぁはぁ…すいません、カリン先輩。俺の代わりに死んでくださいぃ!」
ミツルの投げた枕はカリンに当たる前に木の枝に止められた。
「えっ?」
「シンシア(観葉植物)殺りなさい」
シンシア(観葉植物)はピッチングマシーンかマシンガンのように枕をミツルに向けて連射する。
枕を大量に喰らって息も絶え絶えになったミツルはついに魔法を使った。
「ヒートピローアタック!!」
そしてその餌食になったのは…なんとラムネだった!
ヒートピローアタックを喰らったラムネの身体は霧のように霧散した。
「よくもラムネちゃんを…!死ねぇっ、ミツル!ラムネちゃんのかたきぃぃ!」
「どう見てもさっきのは分身だろ!本物はそこにいるし!」
「問答無用!」
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!」
こうして第一次枕戦争はミツルの圧倒的敗北によって枕を閉じた、いや、幕を閉じた。