はみんぐデイズ 1
「あう…遅刻してしまうッ!!」
朝食のパンを噛りながら急いで家を飛び出す。
あ?キミ、朝はご飯派?あたしはパン派なんだ。ごめんな。
「やっぱりパンにはブルーベリー!!」
訳分からない言葉を発しながら、大好きなブルーベリージャムを塗りたくったパンを頬張り坂道をダッシュする。
今日は魔法検定テスト。遅れたら検定が受けられないんだ。この世界では魔法の強さが自身の強さ。
女やら子供やら関係ナッシングな世界だ。そりゃあまぁ、子供は多少大目に見られるけど。だからこの世界の女の子は結構強いぞ。気をつけな。
あ、そうそう。自己紹介が遅れたな。あたしは皆月ハリ。15歳。みんなはあたしをハリって呼ぶな。こんな男言葉で話してるけど、ちゃんとした女だ。
告白されたコトだって…あ…ある…。
心なしか男友達のほうが多い気がするが、まぁ、それは置いといて。
魔法は、歌。歌を唄うとその場で心に思い描いた事が実現する。
一応言っとくが…人を殺すとか…無理だからな。
「ハリ、おはよ!!」
「ん?おはよー」
軽快な挨拶を交わしてきたのは朝月ヒナ。
幼稚園からずっと一緒な、あたしの親友だ。こいつの魔法はな…なんだったっけな…そうだ、風だ。本気になれば暴風すら起こせるらしい。
しかも病弱で、実際には走れなかったりする。だけど風に乗ったりして快適に過ごしてるのがヒナ。頭だけは最高に良い。
「何ぼーっとしてんの?」
「あ?ちょっと読者に説明を…」
「へ?」
「や、なんでもないさ」
「そういえば、魔法の勉強してきた?」
「バッチリ!!」
「ハリはバカだからなぁ〜」
「むっ…」
そうそう忘れてた。こいつ頭は良いんだが天然で、しかも非常に毒舌。それを言って本人が気付いてないのがとても厄介なんだよな。
現に前だって、二人でショッピングに行った時。自転車に二人乗りしたカップルが居てさぁ。そいつらがあたし達に突っ込んで来たんだよ。カップルは
「あ、スイマセンー。」
って言って去ろうとしたのさ。
そしたらヒナがさ…
「ブスとブサイクでカップルが出来るなんて不思議だよねぇ♪」
って明るく呟いたんだよ!!
そしたら当然のごとく彼氏はキレてさ…あたしが必死に中に入って止めようとしたんだけど…
「なんで私が絡まれてるの?」
ってまた問題発言2nd!!
まぁ最終的にはヒナが突風起こしてカップルは飛んでったけどさ…。
お星様にでもならなければよかったんだけど…ご愁傷様。
とにかくこいつは色んな意味で危険な奴なんで注意しな。
「よし、学校に間に合った〜。じゃあハリ、お互いガンバろーね♪」
「おぅ。ヒナも頑張れ?」
「頑張るっていうか100点しか取れないしね〜」