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はみんぐデイズ
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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はみんぐデイズ 61

「鬼だ…」
「般若だ…」
「悪魔だ…」
「(ギロッ)…そこ!何か言ったかしら?」
「「「何も言ってませんであります!!」」」
「そう?それならいいのだけど…」
カリンを怒らせるのは絶対にやめようと固く誓ったハリたちであった。
その後もハリたちの話は弾み、楽しい(?)食事の時間はあっという間に過ぎていった。
食後のデザートとしてブルーベリーと梅干しのジェラードが出て、ハリとヒナが舞い踊るほど喜んだのはまた別の話。


所変わって、ここは西の都、フォーリン近郊の荒野。
そこに一人、ただ走る男がいた。
彼の名は――
「俺の名は常夏(とこなつ)カノン! 今日も愛を探して走っている! もうかれこれ一年は走っている! 自慢じゃないが止まったことは一度も無い! 何故か!? それは秘密にしていたが俺は……」
大きく息を吸うカノン。
「愛を探しているからなんだーーー!」
と、何言か前のセリフを繰り返した。
荒野に愛と言う言葉がこだました。
「愛と言っても色々な種類がある! 恋愛! 家族愛! 兄弟愛! 同性愛! 偏愛! その他エトセトラ!!」
カノンの走る速度が増す。同時に彼の体が燃えるように赤いオーラにつつまれた。
「知っているかい!? 昔々のまた昔、自分の愛が本物だと言った男がいた! けれどその男は嘘をついている!」
虚空に問い掛けるカノン。その真直ぐな瞳も燃える様な真紅色を浮かばせる。
「何故なら愛は全て本物だからだ! 偽善の中にも愛あり! 極悪の中にも愛あり! それがこの世のロジック! だから俺は走る! 数ある愛の中で、俺が見付ける愛とは何なのか!」
そこでカノンは再び大きく息を吸う。
「だから走るんだーーー!」
男は走る。当ては無い。しかし彼はくじけない。
彼は走る。
気になるのは、その方向が、フィレル方面だと言うことだった。
「じゃあお腹もいっぱいになったことだし、みんなでお風呂に入ろっか」
「いいね〜♪ハリ、ぐっどあいであ〜だよ♪」
「えっ…でも少し恥ずかしいかも…」
「混浴…それは男の夢…」
「何言ってんだよ、ミツル。お前はと〜ぜん別だよ!!」
「………変態」
ミツルに8つの瞳から放たれた絶対零度の視線が突き刺さる。
「冗談だよ、冗談…」
「ミツル君、もし女湯を覗こうとしたら、外で待機しているアンドレ(松)の葉で蜂の巣になるわよ」
「…死んでもそんなことは致しません、はい…」

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