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はみんぐデイズ
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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はみんぐデイズ 60

カリンは虚空に向かって話しかけ、ポケットから取り出したメモを掲げる。


「カリン先輩は誰と話してるんだろ?」
「宇宙と交信じゃないかな♪」
「カリン先輩が電波だったとは…俺、あの人だけはまともだと思ってたのに…」
ハリ、ヒナ、ミツルはカリンが何を作るのかが気になって台所を覗き見ていた。
「………違う。見て」
ラムネは台所の窓を指差す。
「「「えっ!!」」」
窓から木の枝が伸びてきてカリンが掲げていたメモを掴んでいた。
「………あれがカリンの魔法。『土』属性の<緑>。植物と会話したり、操ったりする」
「へえ〜そうなんだ〜」
「初めて知ったね♪」
「便利なもんだな〜」
「あなたたち!」
「「「はいっ!!」」」
「そんなところで見ているなら手伝いなさい」
「「「はいっ!!」」」
「でもどうして分かったんすか?俺たちがここにいるって」
「シンシアが教えてくれたのよ」
「「「シンシア?」」」
「そこに観葉植物があるでしょ?」
ハリ達が横を向くと台所のドアの所に観葉植物の鉢が置いてあった。
「これがシンシアなんだね…」
「分かったら早く入ってきて。そろそろ食材が届くわ」
「「「はいっ!!」」」
「ラムネ、あなたはいいわ。どうせ本体じゃないんだから」
「………うん」
ラムネが一つ頷くとその姿は霧となって霧散した。
「ラムネちゃん本体じゃなかったんだ…」
「全然分かんないよね♪」
「ああ、全く…」


その後、なんだ(ハリがひたすらブルーベリーを入れようとしたり)かんだ(ヒナがとにかく梅干しを入れようとしたり)あったが無事に夕食は完成した。


「では…」
「「「「いただきま〜すっ!」」」」
「………いただきます」
食卓に並ぶ色とりどりの料理の数々。
和食から洋食、中華まで取り揃えられていて、節操がないと言ってしまえばそれまでだが、それらは互いの味を邪魔することなく、絶妙なハーモニーを奏でていた。
「めちゃくちゃおいしいですよ、カリン先輩」
「梅干し入ってないけどサイコー♪」
「美味い!美味いっすよぉぉぉ!これならいつでもお嫁に行けますよぉぉ」
ハリたちの評価は上々。ミツルに至っては泣きながら食べている。
「お、お嫁だなんて…でも気に入ってくれてよかったわ」
「………うん。これならいつでもシュウ……モゴ!」
「ラムネ〜、もっと食べないと大きくなれないわよ〜」
何かを言いかけていたラムネの口の中にオムライスを無理やり押し込むカリン。
「………モゴモゴー!!」
「何言ってるか分からないわよ、ラムネ〜。食べ物が口の中に入っているのにしゃべっちゃ駄目でしょ。フフフ…」

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