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はみんぐデイズ
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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はみんぐデイズ 56

 

「ふぃ〜」
白虎と朱雀に比べれば大した数ではない死体の中で、ユウが終わった終わったといった感じに伸びをした。
「いや〜マジで後輩ちゃん達には…見せられないな…」
一瞬なんとも悲しげな表情が浮かぶ。
だがまた一瞬で元の表情に戻る。
「さってと〜♪みんなの所に帰るか〜♪」
とその刹那、背後から真っ直ぐ殺気をぶつけられた。
「……」
振り返るユウの視線の先、そう遠くは無い位置に男がいた。
死体に視線を送る事なく真っ直ぐユウを見つめながら近付いてきた。
「流石は『フィレルの四神』、一兵卒では相手にならんか…」
ユウと三メートル程まで近付き呟いた。
「お誉めの言葉と受け取っとくよ。ところであんただれ?」
ビリビリと肌に当たる殺気の中でもユウの表情は変わらない。

「な〜に、ただの流れの用心棒だ」
そう言うと腰に差した刀を抜き軽く払った。
「護衛頼まれてたの?ごめんね〜」
「いや、かまわねーよ。テメェ等が相手じゃ守りきれはしなかったろうしな。でもな…」
カチャッと刀を上段に構えた。
「せめて言い訳が出来る程度の仕事はしなきゃいけねぇんだよ!!」
一気に距離を詰め、上段から袈裟斬りを放つ。
「っとっと…危ない危ない」
後ろに跳び一撃を避けたユウが多少オーバーアクション気味に汗を拭く。
「強いね〜キミ」
グッと両拳を握り、軽く離す。
「一応、人殴って生活してるもんでね」
左手を腰にあて、刀を肩に軽く乗せる。
「そういえば名前を聞いてなかったね」
軽く手首を回し首も回す。
「『ゼロ』、そう名乗ってる」
答えながら肩から刀を降ろす。
「キミとは気が合いそうな気がするんだけどね」
「同感だ」
二人同時にニヤリと笑う。
「さぁ」
「殺ろうか」
 
同時に構える二人

数秒の無音

空間が張りつめる
「先に…行かせてもらうぜ?」
グッと足に力を込め地面を蹴り距離を詰める。
「『三穿』!!」
瞬間構えた刀で突いた。
金属音が響く。
ユウが刀を弾いた音だ。だが響いた音は三つ。
「(コイツ…マジでヤバイ…!!)」
全て異なる太刀筋、異なる狙点
普通の人間ならば『三回』死んでいる。
それを素手で弾き返したユウもまた恐るべき手練の技だ。

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