はみんぐデイズ 50
「そ、そこまで…言うんでしたら…着替えても構わないというか…」
(にゃふふ…。カリン落ちたり…♪)
心の中でシノが勝ち誇った笑顔を浮かべたのはシノのみが知ることである。
「ラムネの分もあるでー♪」
「………なんで私」
「皆月とか喜ぶんちゃうか〜」
「………」
「カリンと一緒に居たら可愛いな〜」
「………可愛い」
「とびっきり可愛いと思うで!!」
「………着る」
(純粋な子供ってやりやすいわ…)
目の前でサンタルックに着替えるカリンとラムネを見て、心の底からしめしめと思うシノであった。
「あ。そうそうカリン」
「…なんですか?」
「サンタといえばプレゼントやからな♪ この袋も持って行き」
「わ、わかりました……。っていうか……」
「ん? なんや?」
「こ、これってサンタ…?」
顔を真っ赤にして恥ずかしがるカリンの服装は、へそ出し+超ミニスカなとても風紀委員長が着そうもない格好であった。
「…? 普通にサンタやで」
だがそれは、シノにとってはごくごく普通の事だった。
……哀れカリン…。
「も、もう、どうにでも……うぅ」
「さ、プレゼントたーいむや!!」
やたらハイテンションなシノと、もうヤケクソ状態なカリンとラムネは、白い袋を持って生徒会室へのドアを開けた。
その頃、生徒会室といえば。
「にゃー…」
「ヒ、ヒナ!! 寝ちゃダメだ!!」
「に…ゃぁ」
「ヒナぁああああああああ!!!!!」
泥酔ヒナとミツルの漫才がはじまっていた。
「ミツル君…あんな子だったかしら」
「いや…たぶん猫ヒナに心をやられたのかと……」
「男っていうのはわからないものね…」
「謎だらけだと思います…」
「そういえば、シノさん達はどこへ?」
「さ、さぁ……」
「プレゼントタイムやー!!!!!」
「ぷ、プレゼントタイムだそうです…」
突如、閉まっていたドアがバコンと開き、サンタルックのカリンとラムネが現れた。
「や〜カリンも可愛くなるもんだねぇー」
「カ…カリン…何て格好をっ……」
「わー!! シュウジが倒れたぁー!!」
比較的ドアから離れた場所で喋りあっていたユウとシュウジも、大変なことになっていた。
それを知らないカリンとラムネは…
「…どうしたのラムネちゃん……」
「………可愛い?」
「んまぁ、めっちゃ可愛いけど!!」
「………プレゼント」
言うとラムネは、シノから預かっていたプレゼントをハリに渡した。