はみんぐデイズ 48
「うむ」
冷蔵庫に向かったシュウジを見ながら、ユウは悩ましげに、はぁ。と溜め息をついた。
一方、ハリ達ご一行は生徒会室のドアの前に立っていた。
ハリ、ミツル、ヒナは制服を着て、その後ろに立っているエリカとシノはドレスを着ていた。
「うっわ……エリカ先輩綺麗ですね」
「そうかしら? ありがとう」
大きなエメラルドグリーンのドレスを羽織っているエリカは、優雅に微笑んだ。
「それに比べてシノ先輩……」
「な、なんや…?」
「下手したらエリカ先輩より綺麗な……」
グリーンに対してマリンブルーの細目のドレスを身に纏ったシノは、下手すれば誰だか分からないくらい変貌した。
「いつもその格好でいれば確実にモテるのに…」
「う、うるさいなぁ!! ウチは制服にポニーテールに新聞紙にビデオカメラが正装なんや!! 今日はパーティーだし……動きづらいことこの上ないわ!!」
「元気ですね……」
「ほら、入るでー!!」
ガチャンとドアを開けると、生徒会室は緑と赤の素晴らしい空間に変貌していた。
「やぁやぁみなさん!! 飲んで食べて遊んでくれぃ!!」
「………遊ぶ」
「ま、まぁこの際、風紀は関係ないですので、みなさんどうぞお楽しみ下さい」
「俺だけ袴……」
たぶん本体であるラムネと、いつもより多少楽な格好であるカリン。そしてなぜか袴なシュウジが笑顔でハリ達を迎えた。
「さぁ、どんどん飲んで飲んでー♪」
『いぇーい!!!』
パーティーにもなるとイヤでもテンションが上がるのが人間の性。
みんなが思い思いに飲み物や食べ物に群がっていった。
――30分後――
「っ……酒持ってきー!!!」
「にゃーー!!」
いち早く酒に飲まれてしまったのは、ヒナとシノであった。
「ほれ朝月、もっと飲まんと〜!!」
「にゃー…!!」
シャンパンをグラスいっぱいに注いで、グビグビ飲み始める二人。
そして、それを見つめる影二人。
「なぁハリ」
「ん?」
「ヒナは酒を飲むとネコになるのか?」
「あたしも見るの初めてだしなー……。シノ先輩は分かるけど」
「まぁネコも悪くはない……」
ヒナを見つめてデレデレしているミツル。なぜか心底幸せそうに見えた。
「にゃーってか…ふふふ…」
「変態」
「でもヒナが…」
「変態」
「ぐぅ」
「変態」
「た、頼む……それ以上変態って言うな……!! ほ、ほら子供が見てる…」