はみんぐデイズ 46
事実(?)をつかれ思わず口ごもるヒナとミツル。
「やっぱりそうなんや〜♪ んにゃはは〜♪」
「ヒナも恋の予感!?」
顔を紅に染めたヒナとミツルを見て、ハリとシノはテンションが上がっていた。
「ぼいすてーぷれこーだー♪」
シノはベッドの下に手を延ばすと、棒状の機械を取り出した。
「ふたりがウチらのいないときに何してるかと思ってなー!! こっそり仕掛けさせてもらいました!」
『……』
口をあんぐりと空けて、黙り込むミツルとヒナ。
あんな青春なストーリー、恥ずかしくてシノに聞かせるわけにはいかない。
いや、聞かれたらマズイ。社会的にも私生活にもマズイ。
「この再生ボタンを…!!」
シノがボタンに手をかけた。
だがそれは、叶わぬ夢だった…。
「なぁヒナ」
「ん〜?」
「俺、今ならシノ先輩を倒せると思うんだ」
「お〜、私もそんな事思ってたよ」
ニヤリ、と笑ってシノを見つめる二人。
「え? ちょっ…。やめぇや!! ボタン押すぞぉ!?」
「壊せば大丈夫だなぁ。ヒナ」
「手加減って言葉、辞書には無いよ」
ずんずんと迫り来る、ヒナとミツル。
「き…い……いややぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「あ…あたしには止められないかな…」
5分後、シノは初めて後輩に地獄を見せられることとなった。
「ったくもう…。今日は厄日かしら」
ベッドにぐったりと横たわっているシノを見ながら、クリスは呆れながら呟いた。
もう今日は忙しい。三人も倒れた上に、なぜかハリ達が保健室に居座っている。
その上……。
「おんやぁ?? みんな楽しそうだねぇ!」
なんで生徒会長がここにいるんだ……。
「まぁいいわ……。好きにしなさいな……」
よもや色んな意味でトップクラスになってしまった保健室を眺めながら、クリスはふう、と重たげな溜め息をついた。
「あ? な、ななななんでユウ先輩が!?」
いきなり(本当に突然)現れたユウに対して、混乱状態になっているハリ。
「ちょっとねぇ、提案があってね♪」
人差し指をチッチッと降りながら、ユウは弾むようにして言った。
「提案?」
「そそ。明日ねぇ、クリスマスパーティーでもやるんだけど、どうかな? 来る?」
「い、生きます行きます逝きます!!」
ハリは二つ返事ならぬ三つ返事をしたのだった。