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はみんぐデイズ
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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はみんぐデイズ 35

「なっ、失礼な!あたしだってほ、本くらい読みますよ!」
「へぇ〜どんな本読むんや?」
「そ、それは…漫画とか、漫画雑誌とか、コミックとか…」
「………全部一緒」
「うっ………」
「はっはっは、ラムネの言う通りや。しかもそんなんは本のうちに入らへん」

確かに漫画を読むことを「読書」とは言わない。
「読書」とは無数の文字の羅列によって成った文章、そしてその文章がより集まってできた書物を読むことである。

もしも漫画を読むことを「読書」と言うなら、子供の活字離れなどという言葉は無用のものとなり、世の教育者は両手を挙げて喜ぶだろう。
しかし当然そんなことはなく、漫画ばかり読んでいるハリも活字離れの克服に貢献している訳ではないのだ。

「そういう先輩はどうなんですか?どうせあたしと一緒で漫画ばっかり読んでいるんでしょ?」
「ウチは結構小説とか読むで?なあ、ラムネ?」
「………シノちゃんは結構読書家」
「嘘…だろ?嘘って言ってくれ〜ラムネちゃ〜ん」

ハリはラムネの肩を掴み、前後に揺さぶろうとしたが…


ビシャッ…

「しまった!忘れてた!」

ラムネの肩を掴もうとしたハリの手は見事に空振りし、ぽたぽたと雫を垂らしていた。

「………ごめんね、ハリちゃん」
「いやいや、気にしないで。あたしの自業自得だから」
「皆月はアホやなあ〜」
「分かっていながら抱きつく先輩には言われたくないです…」
「はっはっは、そうか?おっと、ここに来た本来の目的を忘れるところやったわ〜」
「本来の目的?」
「おう、そうや。皆月、あんたは『本物』のラムネに会ったことないやろ?」
「えっと、まあ、あたしが今まで会ってたラムネちゃんが霧だったなら、そうなるんでしょうね。っていうかこの前エリカ先輩が言ってた『風に飛ばされる』の意味がやっと分かりましたよ…」
「という訳で『本物』のラムネに会ってギュッってするのが本来の目的や!」
「そっちですか!」
「………やめて」


シノは二人の言葉を無視してどんどん進んで行く。

「ほら、着いたで」

三人は図書館の前に立っている。
近くで見るそれはまたすごかった。
高さは三階建ての建物ぐらいだが、横の長さはざっと見ただけでも500mはある。
さらに左右の端には首をかなり上げないと見えない程高い尖塔が建っている。

「近くで見るともっとすごいな」
「………中はもっともっとすごい」
「え、どういうこと?」
「………入れば分かる」

何億もする絵画とか彫刻とかが飾ってあるんだろうか?

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