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はみんぐデイズ
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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はみんぐデイズ 34

「しまっ…た…ぁ…」
全身からポタポタと水を垂らしながら八坂先輩が呻いている。
「……本体は図書館にしかいないし」
どうもラムネちゃんは、霧で幻影っぽいのを作りだし、歩かせているらしい。
「…あかん、このままじゃ風邪引くわ…、っていうかスケスケやんウチ…」
もじもじしながら恥ずかしがる先輩。
「先輩にも恥じらいがあったとは…」
「殺すで?皆月」
「いやスイマセン。先輩だって乙女ですもんね」
…ダメだ。ここで生命を断つ訳にはいかない。どうか、生に貪欲に!!

「…寒…保健室行くか…皆月」
「また!?」
「服乾かさんと…」
「……私も行く」
そしてまた、保健室へ逆戻り。


「……また来たのね…」
さすがのクリス先生も呆れた様子だ。
「服…乾かして下さいな…」
「じゃあこれに着替えて。制服乾かすから」
そう言って、先輩にジャージを手渡した。
「カーテンの向こうで着替えてね〜」
「すんません…」
そう言って、早々とカーテンの向こうに行ってしまった。
「……シノは、単純だから」
呆れたようにラムネが呟く。
「人の情報には煩いのにね…」
「……さすが新聞部」
「新聞部って何やるの?」
「……わからな――」
「きぃぃぃぃやぁぁぁぁぁ!!!武装式神LvMAX!!攻撃!!」
カーテンの向こう側で唸るような爆音。
…とともに呻き声。
「何かあったんですか!?先輩!!」
「……何?」
カーテンを開けると、着替え途中の先輩と…なにやら白い塊が…。
「三条がウチを女にしようとしたぁぁ!!」
「お……俺はただ……ベッドから出よう…としただけで……やましいことは…してな…」
ぱたっ
「……死んだ」
「な!?皆月、ラムネ!?今のは正当防衛に入るよな!?な!?」
「さぁ…誤解かと…?」
「だってウチを女にしようと…!!」
「……何それ」
全く訳が分からなそうなラムネが聞いた。
「…それは…なんというか…あぅ」
「何か大きな音がしたけど…どうしたの?」
しどろもどろに先輩が答えていると、クリス先生がやってきた。
「きゃー!!ミツル君重傷だわ!!…とにかくあなた達、出て行きなさーい!!」

ガン!!!!

と、勢いよくドアが閉められ、追い出されてしまった。



その後三人は図書館に来ていた。

「すげーでけぇー、ってかお城!?」

フィレル魔術学院の図書館は文字通り『館』、というより最早『城』であった。
それもその筈。
元々この建物はどこかの領主のお城であり、それを学院が買い上げてここまで運んだものであるからだ。

「なんや、皆月は図書館に来たことなかったんか?あ、そりゃそうか。あんたが本を読むようには見えへんもんなあ」

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