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はみんぐデイズ
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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はみんぐデイズ 33

ヒナの周りに凄まじい風が発生する。
やばい!!このままじゃ店が壊れる!!
「朝月ぃ!!ストップ!!」
魔法が発動するその瞬間、幾つもの式神がヒナをペチペチと覆い隠し、魔法を無効化させた。
「何やってんねん朝月…」
「…はぅ…」
ぱたっ、とヒナが倒れた。
「にゃ?朝月!!…ワケ分からん…」
「とりあえず…保健室ですかね…」
「あぁぁ…朝月手ごわし…」


式神にヒナを乗せ、保健室に運んだ。


「またあなた達なの?最近よく来るわね」

保健室のクリス先生はウェーブのかかったブロンドの髪を耳にかけながら呆れたように言う。

「すみません。ヒナが八坂先輩に息の根を止められて…よよよ」
「また一人八坂さんによる犠牲者が生まれてしまったのね。可哀想に…よよよ」

古典のような泣き真似をするあたしとそれにノってくれるクリス先生。


「皆月!何縁起でもないことを言うとんのや!朝月は死んでへん!見てみ!あんまり豊かとは言えへん胸が上下しとるやろ!次にクリス先生!ウチがいつも後輩をいじめて昏倒させとるみたいな言い方せんといてや!それから三条!心臓の音を確かめるために朝月の胸に耳をあてようとするな!」

さすが関西人。
ナイスツッコミだ。
そして最後のはあたしも納得できる。
というわけで式神さん、殺っちゃってください♪

「誤解だ!誤解ですってば!俺は本当にヒナの生死を…」


ミツルは何か弁解していたが、八坂先輩の式神は問答無用でミツルの首ねっこを掴み、廊下に引きずり出す。

その後数分間、打撃音らしきものと苦悶の声のようなものが鳴り響いて、何とも言えないハーモニーを奏でていたが、気にするのはやめよう…
あたしはまだ死にたくない。

「朝月さんは私が見ておくからあなた達は戻りなさい」
「あ、はい」

クリス先生の声で我に返ったあたしは八坂先輩と一緒に保健室をあとにした。
かつてミツルであったもの(たくさんの式神にまとわりつかれて白い塊と化している)に目を向けないように…
「朝月は先生に任せといて、どこ行くかー?」
 八坂先輩が困ったように言う。
まぁ…実際にはミツルも保健室の世話になってるであろうが…。
「……ハリちゃん」
「おぉ?ラムネちゃん!!」
長い廊下をすたすたと、前方からラムネが歩いて来た。
「何してんの?ラム――」
「きゃー!!ラムネやー!!」
「なっ!?」
なにやら性格が豹変した八坂先輩が、ラムネに飛び付いた。
「かわいーなー!!」
ぎゅっ…と強く抱きしめたその時。
「わ…びしょ濡れ…」
「……濃霧だから」

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