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はみんぐデイズ
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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はみんぐデイズ 32

ミツルは「うおぉぉぉ!!」と叫びながら校庭を走っていった…。
理由に難はあれ、やる気を出させたのはヒナなんだし。良いというか…結果オーライというか…。
「次は朝月やな〜」
「私は合格決定ですよ」
ヒナは頭良いし、合格してるだろうな。
いや、でもB級だしな…ひょっとするとひょっとするかも…。
「朝月の番号は?」
「B-03ですよ〜」
またも掲示板の羅列から数字を探す。
01…02…07…13…
あれ?無い…?
「ほんまや…朝月無いぞ…?」
「え?…無い…?」
そんなバカな、と、掲示板に目を戻す。
何も言わないヒナを見ると、涙が溢れていた。
「…あ、ま、まぁ、ウチかて一回B級落ちたし…な…?げ、元気ださんと…朝月?」
「…ふぇ…ぇぇぇ…」
泣きながら先輩に抱き着くヒナ。
「な、泣くな朝月!?えっと…あっと…なんでウチやねん!!」
あたしも慰めたいのは山々なんだが…ヒナが泣いたのなんて見るの初めてだし…どうすれば良いのか…?
「と、とりあえず喫茶店行こ!!暖かいコーヒーでもな!?な?」

あたしたちは学園前のカフェに入った。みんな結果発表に釘付けなのか、カフェには人が少ない。
「ぇぇ…ひっく…うぇぇ…」
ヒナは相変わらず泣き続けている。
「う…どうも女の涙ってのにウチは弱いんや…」
「ヒナはあたしより頭良いんだし…な?チャンスはまだまだあるんだし…」
「あ〜ハリぃぃぃ〜…」
ターゲット変更したヒナは、あたしに抱き着いて来た。
「わっ!?ちょっ!?ここカフェだからー!!」
「八坂せんぱいぃぃ〜…」
「そこでウチかい!!ちょっと、抱きしめ過ぎや!!ギブギブ!!」
「ぁぅぁぅぁ〜…」
どうやら、ヒナは泣くと抱きしめ魔になるらしい。
「ちょっ…皆月、見てる場合ちゃうやろ!!…く、苦し…」
「ほ、ほらヒナ!!アップルパイあるから!!先輩から手を離して!!」
「パイぃぃ〜……」
魔の手は八坂先輩から離れ、アップルパイに向かった。
「…死ぬかと……思った…朝月って泣くとあぁなんか…?」
「や…初めて見ましたし…」
本当に泣くヒナなんて初めてだ。ヒナはいつも人を泣かす(無意識に)人だから、こんなことになるなんて…。

「ヒナ!!落ちたってマジか!?」
「ミツル?」
いきなりミツルが現れる。身体中ボロボロで、くたびれていた。
「何その恰好?」
「あ?あぁ、排水溝に頭から落ちた」
「うっわ…」
驚いていると、不意にヒナがパイから手を離した。
「Σぁぁ〜…」
「な!?俺はミツルだ!!…ちょ、何?…折れる折れる!!背骨が折れる!!」
ぐわぁぁ!!と喚くミツルに、ヒナが一言呟いた。
「Σ…臭い…」
「え?」
「やだ…あっち行っちゃえ!!必殺、『サイクロン・スイーパー』」

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