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はみんぐデイズ
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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はみんぐデイズ 26

「オレが助けた子は実は凄い子だったんだねぇ」
しかしその瞬間、シノが物凄い音を立てるくらい強く机を叩いた。
「ウチは負けたわけやない!! あのあと皆月ハリは魔力切れでリングアウトや!」
「おぉ怖い怖い。可愛い顔が台無しだぜシノっち〜」
「うるさいわっ!」
シノはユウに意外な事を言われ、顔を赤くして一喝した。
そこでシュウジも顎に手を当て唸る。
「しかし俺が感じた魔力の流動は確かに『火』属性のものだったな」
「それにシノさんの式神を焼ききる強さ…。ただの『火』ではなくてよ?」
「………異常です」
エリカとラムネもうなずく。
「シノ。<歌>というのは皆月だけの特別な魔法なのか?」
シュウジはシノに視線を向ける。
しかしシノは予め調べてあったらしく、首を横に降った。
「いや、確かに<歌>は少ないんやけど、過去にぽつぽつとはいたみたいなんや」
「歌というのは呪文の詠唱のことか?」
「そうやなぁ、想像したものを歌にすることによって具現化ないしは発生させるらしいんやけど、如何せん詳しいデータが無いんや」
そこで生徒会室が沈黙に包まれた。
「ふぅん」
そんな中、期を見てユウが口を開いた。
「ひょっとしたら、ひょっとするかもねぃ」
「というと?」
エリカはユウが暗に意味している事を知りながらも答えを催促した。
「空白の五つ目の属性の魔法使いの誕生さ」
「物にするか、堕ちるか…と言ったところだな」
シュウジはユウの言葉に顔を渋めた。
「…さて、そんなことは良いとして、みんな今日は右も左も分からない一年生たちの面倒ご苦労様だ。さしあたっては諸君に褒美を与えようと思う」
「…?」
皆は沈黙してユウの言葉の続きを待った。
「今日の夕飯は俺の奢りだー! おっかさんに電話しな〜!」
「まぁ会長ったら太っ腹ですわっ」
「………みたらし団子パフェ」
「ではご馳走になるか」
「なら、この前良い店見つけたんや! ちょっとお高いけどなー!」
皆が皆慌ただしくなりはじめ、ユウは立ち上がった。
「そうと決まれば皆の衆、カリン嬢を迎えに行くぞえ〜!」
『了解!』
そして生徒会メンバーは談笑しながら生徒会室を去った。

何だかんだで今日も今日とて平和な生徒会であった。

翌朝。
「んなぁぁぁぁぁ…」
あたしは、唸っていた。
それもそのはず、今日は魔法検定結果発表なんだ。だから今日は朝5時に起きちゃったし…。永遠に来ないで欲しいような、早く終わって欲しいような…。
ふと時計を見ると、午前7時を回っていた。あと30分でヒナが迎えに来る…。
はっ!!そういや唸っていたばかりで朝御飯食べてなかった!!
急いで冷蔵庫を開き、ブルーベリーパイを取り出す。
「これを食べて不安を消してやる!!」
思いっきり噛り付いた。

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