PiPi's World 投稿小説

はみんぐデイズ
恋愛リレー小説 - ラブコメ

の最初へ
 10
 12
の最後へ

はみんぐデイズ 12

身体を洗い、浴室を出る。
あたしは一人暮らしだから家には誰もいない。

のぼせた身体を冷やそうと、あたしはベランダに出た。
「涼し…」

ベランダから見上げるは、満天の星空。
黒いキャンパスに無数の光が輝いている。
この街、フィレルは鉄壁の街、以外に、空澄の街とも呼ばれているほど、空気が綺麗なのだ。

「変人…か」

変人と言えど、一応はあたしの命の恩人。それは素直に感謝しなければいけない。
なのになんだ?この胸のドキドキは?

「あぁ!!もう寝る!!」
自分の中の想いに戸惑いながらも、あたしは眠りについた。



翌朝、あたしとヒナは一緒に登校していた。

「はあ……」
「どしたの〜ハリ?朝っぱらから溜め息なんかついちゃって〜」

昨日の夜からドキドキが止まらなくて、そのせいであまり寝れなかったなんてヒナには絶対に言えない。

「いや、それは……」
「あ、もしかして〜今日から戦闘訓練が始まるからそれで鬱入ってたの〜?ハリの魔法は戦闘向きじゃないからなぁ〜」
「えっ、戦闘訓練?」
「違うの〜?」
「あ、いや…そうそう!!戦闘訓練なんてやってらんないよな〜!」

なんか分からないけど、上手く誤魔化せたようだ。
いや、でもホントに戦闘訓練って何のことだ?

「私は楽しみだけどなぁ〜♪模擬戦とかで相手を風で吹っ飛ばしたり〜♪」

怖っ、ヒナ怖っ!
笑いながら脳内でシミュレーションしてるよ!


学校に着くと早速ロボさんから今日の戦闘訓練についての説明があった。

「私はロボさんじゃありまセーン。ちゃんとローレンて名前ありマース」

また読心術か……

「このHRが終わったラ、体操服に着替えて訓練場に集まってクダサーイ」


10分後あたし達は体操服に着替えて訓練場に集合していた。



「それでは今から戦闘訓練を始めますが、その前に生徒会長からのお話があります」

マイクを使ってそう言ったのは……

「エリカ先輩!?何でエリカ先輩が?」
「あれ?ハリ知らなかったの〜?新一年の最初の戦闘訓練には生徒会がついてくれることになってて〜、エリカ先輩は生徒副会長だからだよ〜♪」
「なるほど…エリカ先輩が生徒副会長か…」

うん、似合ってる。
あの人はまさに「生徒会役員」って感じだ。

「じゃあ生徒会長は…?」

あたしがそう呟いた時、周りの人の小声の会話が聞こえてきた。


「生徒会長ってアレだろ?」
「ああ、一年の時にS級を取ったっていうフィレル魔法学院始まって以来の天才…」

一年生でS級!?
それはスゴ過ぎだろ!
一体どんな人なんだろうか…?

そしてその噂の生徒会長が壇上に現れた……のだが……

アイツは!?

「みなさ〜ん、おはよー。オレが生徒会長の桜井ユウで〜す♪ユウ先輩♪って呼んでね〜♪」

あの時あたしを助けてくれた変人がS級で生徒会長!?


SNSでこの小説を紹介

ラブコメの他のリレー小説

こちらから小説を探す