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はみんぐデイズ
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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はみんぐデイズ 11

「でも…奔流を感知出来ないのは無理も無いわ。だって、奔流なんて初めから感じられないんですもの」
「それってどういう?」
なんとなくヒナから『相変わらずハリは馬鹿だな〜♪』とか言われるかと思ったけど、この時はヒナも不思議そうな顔をした。
「無理ですよ、魔法を唱える時は詠唱を省略しても魔力の奔流は絶対に漏れます」
ヒナは不思議というよりは納得出来ないようだ。
あたしは納得とか言うより、結構チンプンカンプンな領域まで来てるけどね。

「そうね、強い魔法ほど魔力の奔流は激しいけれども、だからこそ、そのハリさんを助けた方はかなりの上級魔法使いでしょうね。
『奔流が掴めない』ということは、『魔力を魔法へ変換する速度が速い』ということ。これだけ速いのは本当にほんの一握りよ。
ちなみに、第三の魔力の跡、これは奔流では無く、残滓…つまり残りかすみたいなものよ。
その方は悪漢を倒した時、その悪漢に触れたのでしょうね。魔法と魔法がぶつかり合って、魔力の残滓を生む。けれど、速くて上手いわ。それすらあまり残っていないもの」

なんだか話しが凄いことになりそう。
てかあいつそんなに凄い奴なんだ。
人は見かけによらないって本当なんだなー。
と、その時、
『ぐぎゅりゅりゅりゅ』
と怪音がなった。な、何の音?
「自分のお腹の音を怪音とか言うな」
「ってまた読心術!?」
「うふふ、あたくしもお腹が空きましたし、そろそろお暇するわ」
そして名探偵ヒナは名探偵エリカと共に事件現場から去り、あたしは家に着いた。
いやー、今日も疲れたな。ざぱっと風呂にでも浸かりますかね。
「ふぃー…」

なんともオヤジ臭い台詞を言いながら、湯舟に浸かる。
今日のお風呂はブルーベリーの香り…。あぁ、疲れが120%消え去っていく!!
つか、あたしはここまで来たら、「ブルーベリー好き」じゃなくて「ブルーベリー狂」じゃないのか!?
今日の朝ごはんもブルーベリーパイだったし…あたしの身体はほとんどアントシアニンかっ!?
視力は2.0だしな!!
最近糖分とりすぎだからな…太らないように注意しないと。

「つーか…あの変人は一体…何?」

ふとあの変人を思い出す。
エリカ先輩が言うには、そうとう強いらしいし…。まぁ、実際に強かったし。

ちょっと…かっこよかったかも…。

「っておいおいおい!!何考えてんだあたし!!」

一人の声が、浴室に響く。
ちゃぽん…と水の音と一緒に。

「もう…出よう」

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