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パニックスクール
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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パニックスクール 42

麻美はそう言うが早いか全力で絵美の元へ突っ込んでいく。
「お姉さま!そんな口車に乗ってはいけませんわ!!」
「え?お前確か斉藤の……」
「うるさい!」
洋平の事は動物以下の様にあしらい絵美に近づく。
「ちょ……麻美ちゃん……」
「お姉さま、こんな生臭いところで何をなさっているのですか?」
「え、だって魚崎君が……」
「この野蛮人に無理矢理働かされているのですか。許せませんわ。」
麻美はクーラーボックスを振り上げる。
「おいっ!馬鹿!よせ〜!」
「今仕事中なの!麻美ちゃん、今は邪魔しないで。」
絵美の鋭い声が飛ぶ。
「斉藤……」
驚き振り向く洋平。
「え?」
凍りつく麻美。その硬直が解けた瞬間
「がーん、お姉さまに嫌われた。……それもこれも全部、あんたのせいよ!!野蛮人、鬼畜ぅ〜肉欲獣ぅ〜っ!!」
半泣きで大声をあげる麻美。驚愕のあまり錯乱したかと見紛うほどだ。
「鬼畜なんて……」
「肉欲獣だって。」
「何したのかしら?」
「あの幼い女の子に手を出したんじゃない?」
そこに居合わせたおばさんたちにひそひそ言われる洋平。
「誰が肉欲獣だー!!ってそこのおばさんたちも誤解だからひそひそ噂しないでぇー!!ってそっちはそっちで売り物が傷だらけになるから落ち着け〜っ。」
「……ねえ、あのお姉ちゃんも〜洋平兄ちゃんの事好きなの〜?」
綾奈が素直な心で発言をする。
「そんな訳ないじゃない!!ああ、おぞましい!!」
両手で自分を抱いて震える麻美。
「もーいい。諦めた」
混沌としてきた店の前を洋平は納める事を現実逃避する事で放棄したのだった。


どうにか絵美が麻美を(半ば強引に)説得すると言う形で退いてもらい、綾奈も買い物の続きがあると言って別れて一段落する。
「疲れた。今ので一日分は疲れた」
店の椅子にどっしり座って気力を使い果たしたとばかりにぐったりする洋平。
「はははっ、災難だったな。若旦那」
隣の野菜屋の主人からからかい気味の声をかけられる。
「そう言うんだったら止めて下さいよ、おやっさん」
「いやー、こればかりは酒場の肴になるからなぁ。楽しませてもらったよ」
向かい側の肉屋の主人はにやにやと笑いながら話しかけてくる。
「そういえば、だんなが見かけないけどどうしたんだ?」

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