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パニックスクール
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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パニックスクール 12

口に出そうとして出せずに痛みで閉じていた目を開くと保健室であった女子生徒、野々宮 光恵。唇に感じる暖かい感触。あまりの出来事に声を出せない周り。
バッと顔を離して放心。状況に思考が追いつけていないらしい。が、時間が経てば何が起きたのか理解したようで……
「わ……あわわ……」
「えーと……そのなぁ……」
「私の……」
ふるふると震える光恵。あまりの怒りで今にもブチギレそうだ。彼女から発する空気がそう洋平に警告していた。
「ちょっと、落ち着け。頼むから落ち着いてくれ」
「私の……」
それは爆発寸前の爆弾を、噴火前の火山を彷彿させる。そして……
「私のファーストキス返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
爆発と同時に62式7.62mm機関銃(レプリカ)から放たれる暴徒鎮圧弾の連射によって洋平の意識は途絶えた。とんだとばっちりである。
「うわ!危ねえ!!」
男子の誰かの声がする。流れ弾が飛んでいるのだ。
「光恵ちゃん、落ち着いて!」
風紀委員の女子生徒の1人が光恵を羽交い絞めにして射撃をやめさせる。


「う・・・ここは・・・?」
洋平はようやく目を覚ました。
「保健室よ。気が付いたみたいね?」
声を掛けられた方に向くと椅子に座っている光恵がしょんぼりとしていた。
「ごめん。やりすぎたわ」
「俺の方こそ事故とはいえ、すまなかった」
互いに謝る。起きてしまった事は仕方が無い。誠意を持って相手に伝える事こそ大事だ。
「けど、やっぱりね……責任とって貰わないと」
「責任って……」
顔を真っ赤にして光恵の言葉が途切れる。だが、沈黙していても事態は好転しない訳で意を決して口にする。
「一回は一回だし、女にとってはファーストキスっていうのは印象に残っちゃうのよ。だから……責任とって私と付き合いなさい」
「付き合え……って銃剣か何を突き合うのか?」
「違うわよ!!分かってて言ってるでしょ!!」

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