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空はいつまでも…
恋愛リレー小説 - 少年/少女

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空はいつまでも… 7

「でもなぁー、あの凶暴女の亜由美が料理を作るなんて時代も変わったなぁ〜」うん、ホントに思う。
そんな事を言ってたら急に冷たい雨がオレの身体に伝わってきた。
「うわっ、何すんだテメェー」
「はぁ?何すんだわ私のセリフよ!せっかく料理を作って待ってなのにぃ」
そう言って亜由美は家の中に入ろうとする。
「亜由美」
呼び止めるオレ
オレは自分の左手に右手でチョップをする。
「何してんの?」
「手話だ」
「どういう意味?」
「『ありがとう』という意味」「口じゃ、言えないの?」「だって、恥ずかしい…」
「馬鹿じゃないの?」
と、亜由美は鼻で笑いやがった。人が礼を言ったのに。
全く、可愛くない女だ……。
「はぁ〜、お前みたいな馬鹿女には手話の大切さがわかんないんだよ」
「はぁ?馬鹿ですって!?」
「さぁ〜、腹減ったからいい加減家に入れてくれよ。勤労学生をもう少し労ってくれよ」
「どうせ、明日から私も勤労学生ですよ〜」
「!!」
そう言えば、明日から亜由美もオレのバイトに来るんだった。
オレはその夜、亜由美の手料理を食べながら明日の事を妄想していた。
えっ、手料理の味は?って…それはまたの機会に言うよ。少なくとも、オレはあいつの作った料理は嫌いじゃないよ。
やっぱ、現実って甘くないなと実感させられる。
目の前に亜由美がいて、今日子さんがいて、麻ちゃんがいる。
そう、今はバイトの朝礼で亜由美が紹介されているのだ。
おい、さっきからエロ店長めが、ニタニタしすぎなんだよ。
亜由美から、とっとっと離れろ!!
「じゃあ、今日から働いてもらう亜由美ちゃんだ。最初はわからない事だらけで、みんなに迷惑をかけるかもしれないが仲良くしてやってくれ」
おっ、やっと、まともな事を言ったなエロ店長。
「という事で仲良くしよーね、あゆあゆ」
はあ?殺すぞエロ店長!
「うん、仲良くしようモギモギ」
おい、亜由美も乗るな!
ちなみに、エロ店長の名前は茂木敬介(モギケイスケ)だ。
「ねぇー」
ねぇー、じゃねよエロ店長!!
「店長、そろそろ店の準備に入りませんか」
おぉ、今日子さんがこの状況を脱するための助け船を出してくれた。
頼み事をしている時の今日子さんも綺麗だなー。
「まぁ、今日子ちゃんが言うなら仕方ないなー」
エロ店長は、そう言ってオレ達に開店の指示を出してきたのだ。

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