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空はいつまでも…
恋愛リレー小説 - 少年/少女

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空はいつまでも… 3

「あっ、今日子さん。な、何でもないですよ〜!」
「ふ〜ん、でも妙に恭一君が深刻そうな顔をしてるから気になっちゃって」
この人は今泉今日子さん。オレより一歳年上でとても世話好きで元気が良い。正直オレは今日子さんに惚れている…オレは、この人がいるからこのわけのわからない、バイトもできるかもしれない。
「じゃあ、恭一君!今日も頑張ろう!!」
「あっ、はい!」
あれ?気のせいだろうか?さっき、亜由美がこっちを悲しそうな目で見ていたような気がした…
ちょっとでも心配した俺がバカだった。亜由美は俺の方を向いて、叫んだ。
「恭一!今日の夕飯は何食べたーい?」
今日子さんの目の前で叫びやがったのだ。
亜由美の野郎…。
何でもいーから早く帰れよ!!
亜由美が店を出た後、俺は今日子さんの方を振り返れなかった。
飲食店のラッシュというモノは、まさに地獄だ!!
俺の場合はいつ、どこで、何をすべきかを全て把握しているためある程度は楽だが…正直、新人のバイトは可愛そうで仕方がない…何をすれば良いかわからずウロウロ…優しさの心がない者は「邪魔なんだよ!」とか言う…あぁ〜、年下の新人の伊藤 麻(イトウ アサ)ちゃんが皿を落としちゃったよ〜今日子さんは手が放せないようだから、俺が行くか。
「大丈夫かい、麻ちゃん」「あっ、八島先輩!!」
麻ちゃんは俺の顔を笑みを浮かべた(地獄に仏がやってきたって感じの顔をしているなぁ〜、そんなことわざがあったような覚えがあるけど…まぁ、いっか!)「しぃ〜、麻ちゃん。ダメだよ、ここで先輩って言っちゃ…ね!」
「あっ、すいません先輩…あっ、ダメですね私」
麻ちゃんは左手で自分の髪の毛を掻いた…その姿が少し可愛い
「皿なんて割れたらスグ片付けちゃえばいーんだよ。」
俺がそう言って、ホーキとチリトリでちゃちゃっと割れた食器を片付けた。
すると、麻ちゃんの少し潤んだ瞳にも笑顔が戻った。
「はい!先輩!!」
だから…、先輩って…ιま、いっか。

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