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空はいつまでも…
恋愛リレー小説 - 少年/少女

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空はいつまでも… 11

「もう、うるさい!」
そう言って亜由美は、ポカポカとオレを叩いてきた。
「あのな、オレさ…麻ちゃんに告られたんだけど…どうしたら良いのかな?」
「えっ、麻ちゃんって、あのバイトの子?」
「うん、まぁ、そうだね」
「それで、どうしたの?」
おいおい、なんで亜由美が、そんな涙目なんだよ。
「夏休みが終わるまでには、答えを出すと言っておいた」
「そっか…そうなんだ」
そう言って、亜由美は笑顔を作った。
涙目になったり笑ったり忙しい奴だ。
「じゃあ、今日は悪かったな…そろそろ寝るわ」

「うん、私の方もごめんね…お休み」
亜由美は、オレに手を振ってきた。
オレは、それに応えて手を振った。
自分の部屋に入ったオレは、すぐベッドの上に飛び込み、泥のように寝た。

それから一週間は瞬く間に時が過ぎていった。
オレと亜由美の喧嘩は絶えなかったが、オレはこの前ほどのポカをする事もなかった。

そんなある日、あのエロ店長がいきなり『花火大会』をやり出すとか抜かしやがった。
「お金とか面倒な事は、この茂木様に任せなさい!
って事で、明日の店は休み!」
なんて、公私混同ぶりなんだ!!
「ただ、女性メンバーは浴衣を着てくるように、これは絶対だ!」
黙れ、エロ店長…
「えっー!!」
いっとき、店は女の子のブーイングの声で包まれたが、店長が今月は通常の給料に二倍のボーナスを付加すると言ったら、店は歓声に包まれた。
だが!!
「あっ、八島は男だから二倍にはしないよ」
何!?
何だそれは、男女差別だぞ!!
「だって、オレは男だから、お前に興味なんかあるわけないじゃん。
だから、お前は給料の二倍はナシ」
はぁー、このエロ店長が…やってらんねーぜ!
「花火大会ですって、楽しみですね!!
私の浴衣に期待してくださいね」
麻ちゃんが、いつのまにか隣にいた。
麻ちゃんは、あの公園の一件以来、ことあるごとにくっつくようになった。

その一件の終わりの部分を少し喋ろう。
「ごめん、オレ付き合うとかまだ、わからないんだ…だから」
「それでも、私は先輩が好き!だから………」
麻ちゃんは、今にも泣きそうな顔を…いや、すでに泣いていたんだろう。
だから、オレはつい…
「えっと、夏休みまでに答えを出すよ…ただ、オレは麻ちゃんの事は嫌いじゃないからね」
「わかりました……私、先輩が答えを出してくれるのを望んでいますから」
オレは、ただ「うん」と頷く事しか出来なかった。
以上がその一件だ…
それ以来、麻ちゃんにはどう接したら良いのか、少しわからないのだ。
「もう、どーしたんですか?また、ボッーとして!」
ただ先輩と言って、麻ちゃんが隣にいてくれるのは、好きだ。

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