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恋愛リレー小説 - 理想の恋愛

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そう考えると、和美が今迄、男たちから受けてきたセクハラ紛いの行為も、寛容に思えて来なくも無くもなかった。
男の捌け口として利用されるのは真っ平御免だが、
紳士だろうが野獣だろうが、所詮男の目的はソコにあるように思われ、その目的のために形は違えど努力するそんな男が、
哀れでもあり、可愛くもあった。

そんなことを考えて、気まずそうに、地面にできた月光の作り出す斑模様を靴先でつつく佐藤洋平の姿を見ると、
経験豊富であろうともそれは、未経験の祐之先輩と、何ら代わりなく和美には見えた。

そんな表の顔と裏の顔を持った佐藤洋平という男に、和美が興味を抱いたのも無理は無かった。

なぜこんなにも軽い男を演じなければならないのか?
なぜもっと素直に素の自分を表現できないのか?
それによって何か得があるのか?
失ったものは無いのか?

それは自然な疑問だった。
極普通に生きてきた者ならば、誰でも抱く興味的疑問だと言ってよかった。

そしてそれ以上に、佐藤洋平に対して母性的本能が働いたことも確かだった。
それはビジュアルから来る、女だったら誰でも挑発される箇所を、和美自身も刺激されたことは間違いなかった。
そんな感情を気付くこともなく、日々、日常を送ってきた和美ではあるが、これは正しく母性であると女の本能で分かったのだ。

母性本能を刺激する・・
佐藤洋平はそれを考えてた上で、自分の容姿を利用し、女たちに近寄る手段にしていることは彼を見れば分かった。

それでも、それが分かった上でも佐藤洋平に引かれる自分を口惜しくもあったが、
それならば彼の思惑に乗ってやりたい・・・
そんな母性に、和美は突き動かされずにはいられなかった・・・


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