恋人未満 1
正直、最高の友達だと思う。
君がいたから毎日楽しいんだろうし、
ここまでこれたんだろう。
大好き。
だけど
恋人としてみてほしいって思った。
もう友達はいやだ…。
月曜日は憂鬱。
もう大学も2年目なのにばっちり必修科目で1限だし、学生だって週始めはやっぱり休日をひきずって気が重い。
それから、トシヤと会えない。
あいつとはほとんど授業がかぶってるのに…いや、かぶらせたのに月曜だけは合わなかったから。
きっちりノートをとりながら昼休みを待つ。
授業をまじめに受けようと思ったのもトシヤの影響だった。
早く時間がたてばいいのに。
一秒でも早く。
ああ、これはもう病気だ。
「おはよう、沙希」
念願かなった昼休み、大学が用意してくれた部室でトシヤが弁当をほおばっていた。
「…おはよう」
久しぶり。
同じサークルの同級生で、同じ学部。
たぶん、私たちはすごく仲がいい。変な意味ではなく。
そして私はトシヤのことが好きだった。
たぶん、そういう意味で。
トシヤに会ったのは、入学式だった。
学部で知り合ったわけじゃない。
大学とはいえ最初はどうしても男女に別れがちで、人数が多くて全然男の子まではわからなかったから。
式をチャペルで終えて、ぶらぶらと校内を歩く。
ずいぶん多くの人が新入生の勧誘を行っていた。
一枚強引に渡された上にビラがのせられていく。
テニス、テニス、フットサル、旅行、テニス、バスケ…。
話には聞いていたが、テニスサークルの多さに驚く。