幸せな結婚生活 11
―――――それから3日後
ピンポーン
『はぁ〜い、どちら様ですかぁ?』
「ちょっと! 広行は! 居るんでしょ?」
知らない派手なお姉さんが入って来た。
『ちょっと、困りますぅ!あなたは誰?』
「あんたこそ誰なのよ!私の知らないところで勝手に結婚して! とにかく広行と話がしたいから広行出してよ!早く!」
『私が広行さんの妻です!』
「はぁ?あんたみたいな小娘が広行の妻ぁ〜!そんなわけないでしょ! 冗談言ってないで早く広行連れてきなさいよ!」
どうやら、このお姉さんはヒロの元カノさんらしい。
同棲してたのに、ある日突然ヒロが姿を消しずっと探していたとの事。
やっとみつけたと思ったのに、結婚したと聞き怒鳴りこんでしまったらしい。
「ごめんなさいね。あなたは悪くないのに…取り乱したりして。
だけど、どうしても許せなかったのよ。人の気も知らないで、自分だけ幸せになろうだなんて。」
一呼吸おき、お姉さんは真剣な眼差しで話した。
「私…そういえば名乗ってなかったね。斉藤ゆかりと申します。広行に大事な話があるの。会わせて頂けないかしら?」
『もうすぐ帰って来るはずです。』
ガチャッ―
「ただいま〜」
『ヒロ!お帰りなさい。お客さんが来てるよ…』
「ん?……!ゆかり…どうしてここがわかったんだ?」
「あなたの従兄弟に教えてもらったの。少し話がしたいんだけど、お時間頂ける?」
『大事な話みたいだから、わたしちょっと買い物にでも行ってくるね』そう告げて、慌てるように出てきてしまった。