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雪の血
恋愛リレー小説 - 悲恋

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雪の血 2

怯える女性の前には数人の男が立ちふさがり、汚い笑顔を余すとこなく降り注いでいる、みていてきもちのよい物ではなく、すぐやめさせようと思った、それに、やめさせるのは造作でもなかった、 「やめておけ、、、」 静かに言い放つ、それを聞いた男たちは逆上し、、 「なんだて!・・・め・えは・・・」 男たちは震えだした、目の前にいる男の姿に気付いたからである、、、、
「もう一度言うぞ。女から離れろ」すると男達は彼女から数歩下がった。「わっ、悪い!まさかお前の女だったなんて‥‥」そう言うと走り去った。ハァとため息をつくと彼女に近づいた。「大丈夫か?」女はまだ震えて下を向いている。「男達ならもう行った。だから顔を上げな」女は少し顔を上げたが視線はまだ下だった。「何かされたか?」フルフルと横にふる。「‥‥ならよかった」すると女はやっと視線を上にし、俺の顔を見た。
すると女は目を丸くした。顔というより俺の目を見たのだろう。「そんなにハーフが珍しいか?まぁ、目は深緑だがな」
女はまたフルフルと首を横にふった。「この辺りにはもう来ない方が良いぞ。じゃあな」後ろに向き直し立ち去ろうとしたその時だった。「あっ、あの!」女が初めて声を出した。お礼でも言うのか?と思って振り向くと女は‥‥笑った。そして「その瞳とても綺麗ですね」言った。正直呆気にとられた。さっきまで震えて半ベソかいてた奴の台詞とは思えなかったし、何より‥‥‥そんなこと言われたの初めてだったから。
 ――ふっ
思わず笑ってしまう。そんな俺を見て、女は目を丸くしている。
「あの、私何か変な事言いました?」
「いや…すまない。まさか誉められるとは思ってなかったから…。」
俺がそう言うと、女は訝しげに首を傾げた。
「普通、こういう場では礼を言うんじゃない?まず先に…。」
「あっ!」
俺の言葉に顔を赤くしながら、女は何度も謝罪してくる。
「別に怒ってるんじゃねぇよ。誉められたのは嬉しかったし。ただ、面白い女だなと思ってさ。」
そう言うと幾分安心したのか、女の顔に笑みがこぼれた。

「本当にごめんなさい。…それと、ありがとう。貴方の瞳が、あんまり綺麗なものだから、ついお礼言うのも忘れちゃった。」
そう言いながら、女は恥ずかしそうに肩を窄めた。

 ー―そんな女を見ながら、俺は久方ぶりに胸の高鳴りを覚えたんだ。
 今思えば、この時、この瞬間、俺は女への愛に溺れていたのかも知れない。

 それに気付くのは、まだ少し後の話だが…‥。


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