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tomoka
恋愛リレー小説 - 同性愛♀

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tomoka 9

乱れた髪をガラスに映った姿を見ながら直していたら、

「カオリ?」

と声をかけられて。
振り向くと爽やかな笑顔の直樹が立っていた。

「直樹、昨日大丈夫だった?」

昨日ずいぶん飲んでたみたいだったから、ちゃんと帰れたか心配してたよ。
と言うと、大丈夫と笑っていた。
直樹があたしの後ろに何かを見付けたのか、視線が止まる。
つられて後ろを振り返ると、朋子が信号待ちしているのが目に入る。

直樹は朋子から目が離せないみたいで、あたしが隣にいることを忘れているみたいだった。

やっと信号が青になって、朋子が小走りで向かってくる。

「ごめん、遅れた?」

時間通りということを伝えると安心したみたいで。

やっとあたしの隣にいた直樹に気付いたみたいだった。
「香のお友達?」

直樹の顔が一瞬曇る。あたしはそれに気付かなかったフリをしながら、サークルの友達と簡単に紹介して、直樹にも朋子を紹介した。

「そういえば、直樹の友達に高橋って人いる?」

あたしがそう尋ねると、朋子は驚いた顔であたしと直樹を見つめる。

「高橋…明?」

「そう、その明くん。」

やっぱり友達だったか。と呟くと、直樹には気付かれないように朋子に合図を送る。

「明とはグループ一緒だからすごい仲良いよ?」

「そうなんだ。
なんかアタシの友達があの人カッコイイって騒いでてさ。」

赤くなる朋子に注意が向かないように、昨日の飲み会の話で盛り上がる。

「ちょっとゴメン…」
急にお腹が痛くなって、スーパーの化粧室に向かう。

なんとか落ち着いて帰って来ると、朋子はすっかり直樹と打ち解けたようで話が弾んでいるようだった。

楽しそうに話す朋子と直樹を見ながら、なんだか複雑な気分で。

あたしはどうしたいんだろう。

朋子が笑ってればそれでいいのかな。

きっとあたしは直樹でもアキラでも誰でもよくて。
早く朋子を奪いさって欲しい。

あたしの歪んだ感情が届かないどこかへ。

そこまで考えて、あたしの視界の隅に一人の男が目に入った。

どうしてその男が気になったのか分からなかったけど、何故だか彼から目が離せなくて。

彼も何かから目が離せないようで。

視線の先を追っていくと、朋子がいた。

朋子の知り合い…?
もう一度顔をよく見ようと思って彼を探したけど、もうソコにはいなくて。

この時あたしはまだ分かっていなかった。

どうして彼の目に牽かれたのか。

切ないような、
やるせないような、

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