PiPi's World 投稿小説

tomoka
恋愛リレー小説 - 同性愛♀

の最初へ
 15
 17
の最後へ

tomoka 17

あたしが頷いたのを確認すると、そっか…と言って黙ってしまった。

聞いてはいけないことなんだろうけど、好奇心に負けて、あたしは疑問を口に出してしまった。

「…ナナちゃんて誰?」

「あ、…やっぱり気になるよね。」

俺が中途半端に言っちゃったのが悪いんだけど…

よっぽど、言わなくていいよ?と言おうかと思った。

でも聞きたくて。

明のことがもっと知りたかったんだと思う。

あたしが黙っていることを、先を促しているのだと理解した直樹は言葉を続けた。

「ナナちゃんは、…菜々子ちゃんはアリサちゃんのお姉さんで。
お姉さんて言っても年子だから、学年も年齢も一緒らしいんだけど。」

それじゃナナちゃんも明の幼なじみなんだ?
と聞くと、直樹は曖昧な笑みを浮かべて。


「幼なじみ、もだけど…」

─付き合ってたのかな。

途切れ途切れの言葉を補うとそういうことなんだろう。

「今は?」

付き合ってないの?という意味で聞いたら、

「今は海外に留学してるみたいだよ。」

でもナナちゃんのことは明に聞かないで?
と真剣な顔をして話す直樹から、あたしは二人が別れたことを感じとった。


忘れられない人がいるなら、明のあの視線は誰に対して向けられてたんだろう。

いないはずの昔の恋人へのものだったのかな…


─でも人の気持ちなんて変わるものだし。

誰よりもあたしが知ってるはずでしょ?


「香、」

「えっ?」 

降りないの?
と直樹に言われて、初めてお店に着いていたのに気付く。

「ごめん、降りるね。」

どうしてこんなに明のことを思うのか分からなくて。

今日の飲み会、チャンスがあったら聞いてみよう。

そう心に決めて、お酒を買いこむ。

他の人たちがどのくらい飲めるか分からなかったから、いつもよりも少し少な目にしておいた。


直樹の車でアリサの家に着くと、中ではアリサと朋子で料理に取り掛かっているところで。
朋子も先ほど到着したと言っていたから、ほとんどの料理はアリサが作ったようだった。

…それにしてもすごい量。

唐揚げやパスタ、シーザーサラダにミートボール、卵サンド…と、どちらかと言えば小さい子が好きそうなメニューに、首を傾げていたら、

「全部アキラが好きなやつなの。」

あんな顔してお子ちゃまだよね。

SNSでこの小説を紹介

同性愛♀の他のリレー小説

こちらから小説を探す