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恋愛リレー小説 - 同性愛♂

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いつかどこかで、か。

また会いたいな。素直にそう思えた。

読み終えた手紙を畳んで、封筒に入れると、荷造りしておいたスーツケースの内ポケットにしまう。

スーツから普段着に着替え、大学最後の飲み会に向かうべく家を出た。
「「「「乾杯!!」」」」

総勢何人いるか分からないほど集まった同級生たちと、卒業を祝う。
就職先が北海道なこともあり、このメンバーと会うのもこれが最後かと思うと、少し寂しい。

どの顔も晴れの日だからか笑顔が多い。

ーもちろん、一部例外もいるが。

「あんた、何で北海道なんて行くのよ〜」

「せっかくの化粧が、泣くと崩れるぞ?」

「直樹くんがいないから、崩れてもいいの〜」

アリサは大分飲んだようで、先程からずっとこの調子だ。

「…いつでも遊びに来いよ。俺もたまには顔出しに行くし。」

「いつでもって言ったわね?本当に押しかけてやるんだから。」

「あぁ、お前ならいつでも歓迎するよ。」

「…ほんと、そうゆう無自覚な発言がムカツク。」

「え?」

「落ち着いたら引っ越し先の住所連絡しなさいよ、って言ったの!」

苦笑しながらアリサに了解を告げると、未だ文句がありそうな顔をしながらも、納得してくれた。
他にも何人かと一通り話をしたところで、締めの挨拶となり、二次会に流れるグループ、他のグループに合流するヤツら、とそれぞれ別れることになった。

俺は引っ越しの関係もあり、二次会には参加せずに帰ることを伝え、4年間過ごした学友たちに別れを告げた。
ーーーー

ガランとした家に帰ると、なんとなく電気を点ける気分になれず、暗い部屋の中を突っ切り窓を開ける。
冷たい空気が部屋の中に入り込んで来たが、構わなかった。

ボンヤリと輝く星空を眺める。

ーピンポーン

誰が来たかは何となく分っていた。
きっと来るだろうな、と思っていたから。

どんな顔をして迎え入れたらいいのかが分からなくて、玄関を見つめたまま身動きができなかった。

ーピンポーン

2回目の電子音に背中を押されるように、ノロノロと玄関へ向かう。
鍵を外して、ドアを開けると、やっぱりそこにはアイツがいた。
「お疲れ。飲み会抜けて来たのか?」

「うん。最後はやっぱり明と飲みたいなと思って。」

そう言うと、直樹は途中で買って来たのか、手に持っていたビニール袋を掲げてみせた。

「、準備万端じゃねーか。俺がいなかったらどうするつもりだったんだよ。」

酒まで準備してきてくれた気持ちが嬉しくて。でも、嬉しい気持ちを悟られないように茶化してそう返す。

「いない時のことは考えてなかった。」
と綺麗に笑うと、お邪魔します、と言って直樹が家に入ってきた。

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