nao 9
アイツは俺の質問なんて、聞こえなかったかのように言ったんだ。
「おれ、気になるヤツできたかも…。」
俺は、今度こそ心臓が飛び出たんじゃないかと思った…。
それって、やっぱり女のこと、だよな?
―当たり前だろ?何期待しちゃってんだよ。
でも俺に言うってことはちょっとは期待してもいいんじゃないか?
―友達だから相談してるだけだろ。
でも分かんないぞ?
頭の中の俺に悪態つかれながら、俺は意を決した。
「…なぁ、それってサークルのヤツのことなのか?」
振り向いた俺の視線の先には、もう夢の中にいるアイツがいた。
やっぱ、こうゆうオチだよな………
なんとなくホッとしつつ、直樹の布団を直してから俺も眠りについた。
─────
「あきら」
ん?
「俺、あきらのことが…」
え?なんだこの展開??
「………」
言ってくれよ?
なんだよ、直樹?
「すきなんだ」
「本当かよ?直樹」
「本当だよ。」
…ん?あれ?
なんでお前そんなに不機嫌そうなんだ?
さっきまで顔赤くてモジモジしてたくせに。
「だから、もう11:00過ぎてんだけど!明学校サボんの?」
「…じゅういちじ、?」
「ぅえぇーっっ、ヤバイじゃん。行くよ!ちょっ待って!」
もう行く準備万端なアイツを尻目にドタバタと用意を始める。
「なんでもっと早く起こしてくんないんだよ〜」
「起こしたけど、明変な寝言言ってんだもん。起きてんのかと思ったよ?」
変な寝言?俺は一瞬血の気が引いた。
「え、俺何か言ってた…?」
「言ってたよ。
さっきも、俺でいいの?とか、本当か?とか言ってたし。」