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恋愛リレー小説 - 同性愛♂

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nao 54

分かんなかった?
と笑いながら席につくカオリに、

「そんなのかけてるから分かんなかった。」

とサングラスを指差して言うと、

「あぁ、コレね。」

と言って外してくれたんだけど…

目が赤い?心なしか瞼も腫れている気がする。

カオリはそんな俺の視線を無視して、コーヒーを運びに来たウェイトレスに、アイスコーヒーを注文していた。

「なんかあった?」

耐えきれなくなって思わず口を開く。
俺のセリフに、カオリは驚いたような顔をした。

「何も聞いてないの?」

聞いたから呼ばれたのかと思ったよ。
と曖昧な表情で笑うカオリに、

「だから、何が?」

と聞くと、自分だけ蚊帳の外にいるような感じがして。

「…朋子がさ、今あたしと話、してくれないんだよね。」

「バイトもずっと休んでるし。」

何でだか分かる?
と真剣な顔で俺を見つめるカオリに、俺は黙って首を横に振る。
カオリは俺から目を反らすと、一つ溜め息をつく。

「そうだよね。」

「…アキラは、気になってる人いる?」

アイツの顔が浮かんで消えた。

「いるけど、なんで?」

そんなこといきなり聞くんだよ。

「そっか…」 

「それって今関係あんの?」

煮えきらないカオリの答えに、俺はイライラしていた。
赤い瞳が何かを求めるように俺を見つめる。
「それは、」

「お待たせいたしましたこちらアイスコーヒーなります。」

空気読んで来いよ。と心の中で悪態をつく。

店員が伝票をテーブルの上に置いて、入り口にの方へ行ったのを確認してから、カオリに目で続きを促す。

─それは?

ブラックのままコーヒーを一口すすると、決心がついたのかカオリは口を開いた。

「この間、映画をいっしょに観たじゃない?
偶然だったけど。」

「その後歩いてたとこをトモコが見てたみたいで。」

─やっぱり地下鉄で見たのはトモコだったんだ。

「勘違い、されちゃったみたいなんだよね。」

─俺とカオリがデートしてたって?

「バイトもその日から無断欠席してて。

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