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恋愛リレー小説 - 同性愛♂

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肩まである黒い髪が振り返った勢いでバサッと揺れた。


「「どうしたの?」」

一瞬、カオリとナナコの声が同時に聞こえた気がした。

もちろん俺の数メートル先にいたのはカオリだけで。

「あのさ、…」


─昨日、どうしてあんなこと聞いたんだ?─

「…バイト頑張ってな。」 

やっとそれだけ言うと、カオリはありがとうと言って歩いて行った。

バイト先に向かって歩いて行く後ろ姿があの人と似ていて。

カオリの姿が見えなくなるまで、俺はその後ろ姿を見送っていた。

結局何も聞けなかったな。
…聞いてみたいことはいっぱいあったのに。

度胸ねぇな。

バイト先に顔を出そうかと思っていたけど、やめにして家へと向かう。

カオリにまた会う勇気がなくて。

なんでナナコを思い出したんだろ。


あの人も黒髪だったから、かな。

地下鉄の駅で電車に乗り込むトモコを見た気がしたけど、ボーッとしていた俺には確かめる余裕がなかった。



─直樹からトモコのことを相談されたのはそれから1週間後のことだった。

テストも近付いてきて、レポートやらテスト勉強やらで何かとアイツと顔を合わせていて。
だから、直樹の様子がおかしいことは、その日の朝から気付いていた。

「あのさ、」

直樹が重い口をやっと開いたのは、その日の授業で出されたレポートをどこでやるか?と相談していた時だった。

「ん?」

「友達の話なんだけどさ。」

「深刻な話?」 

だったら場所変えようぜ、と言いかけて口を閉ざす。

「ソイツさ、気になってる子がいるみたいなんだけど、その相手の子が最近沈んでて。」

「思いきってメールしてみたんだけど、その子に恋愛相談されたらしくて…」

こうゆう場合、明だったらどうする?
…。

どうするも何もなぁ。

つまりあれか?

トモコが別の男のことで悩んでるって直樹に相談したわけ?
そしてその相談を、お前を好きな俺にする。


勘弁してくれよ…

そんな顔して見るなって。

はぁ。心の中で溜め息を吐く。

「…とりあえずさ、落ち込んでるなら励ましてみたら?」

「で、いい話相手から気になるヤツになってきゃいいじゃん。」

なるほど、と頷く直樹。

「男側からのアドバイスってけっこう役に立つらしいぞ?」

と言って直樹の方を見る。
アイツはなんだか知らないけど俺の言葉に感心したようで。
尊敬の眼差しを返された。

「…明ってすごいね。
すごく参考になったよ。」

と言ってから直樹は慌てて、

「あ、友達の参考になると思うよ。」

と言い直した。

いや、隠したいならそれでいいけど…バレバレだぞ?

心の中で突っ込んでから、どういたしまして、とだけ伝えた。

「でも、なんでその子が悩んでるって分かったんだ?」

「それがさ、バイト先が同じなんだけど。

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