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恋愛リレー小説 - 同性愛♂

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案の定、タクシーから出るのも大変そうなアイツの手を引っ張り出して、運転手に代金を払ってやる。

後でちゃんと請求してやんなきゃな…と思いながら、アイツに肩を貸してやりながら家の中まで連れていく。

俺の家は、ロフトが付いていて、友達は下に寝てもらうのが常だった。

まだ4月ということもあって、出してあったコタツにアイツを寝せてやる。
とりあえず一息つく。

まさかとは思ったが、一応枕元にコンビニの袋を置いておいた。

ふと喉の渇きを覚えた俺は、冷蔵庫を開けてお茶を飲んだ。

その時に俺は、このお茶を直樹が好きだったことを思い出して。

寝てるとは思いながらも声をかける。

「直樹も、飲むか?」
んん、と肯定とも否定とも取れる声がしたので、とりあえずアイツのとこまでグラスを持って行った。

その時は2時を少し越えた頃で。

当たり前だけどまだ外は暗かった。
明かりをつけておいたけれど、少し絞った照明にしておいたせいか、部屋の中は少しボンヤリとしていた。

「ほら、これ…」

お前の好きなやつだぞ。と言いかけて口を閉ざした。

なぜか?

それは、俺は気付いてしまったから。

直樹の、アイツの寝顔に見とれてる自分に。

その後のことは良く覚えていない。

朝起きると、俺はロフトでちゃんと寝ていて。

コタツの上にはお茶のグラスが手付かずのまま置かれていた。
昨日、自分が感じた感情が何なのか…

俺は分かっていながら気付かないフリをした。

アイツを困らせたくなかったし、何より側にいれなくなるのが耐えられなかった。
ロフトから降りて、顔を洗う。

アイツ用のタオルを出しておいてから声をかける。

「直樹、10時過ぎたけどいいのか?」

アイツは寝覚めがすこぶるいいため、朝に悪態をつくことがない。

朝が弱い俺としては、見習いたい限りだ。

端正な顔を少し歪めて起き上がると、いつもの直樹だった。

「おはよう、明」

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