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恋愛リレー小説 - 同性愛♂

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そういえばカオリのこと良くしらないし。

どんなヤツなんだろ…

「カオリって付き合ってヤツとかいんの?」

「いや、…」

うつ向くアイツに、聞いてはいけないことだったな、と思う。

「言えないことは言わなくていいぞ?」

「…今は付き合ってないと思う。」

最近話してないから分かんないけど。

歯切れの悪い口ぶりに気付かないフリをする。
好きな人とかいんのかな。

直樹もそうだけど、そうゆう雰囲気を汲み取るのはニガテで。

直接聞くのも手だけど、聞き返されたら困るしな…。


直樹が帰った後もそんなことをずっと考えていた。

─どうしてあんな目をしてたの?

カオリの声が頭の中で響く。

切長の目を少し細めて俺を見つめる。

その目の奥にあるカオリの真意が分からなくて。

興味本意? 
…違うな。そんな感じじゃなかった。

酔った勢い?
…あれはシラフだったよな。

何かを俺に期待してるような。

でも何を?




駄目だ!分かんねぇ。
大体自分の気持ちだって本当に分かってんのか微妙なのに、他のヤツが何考えてるかなんて分かるはずねぇじゃん。

頭を切り替えると、気分転換に映画を見に行くことにした。

最近CMで宣伝しているのを目にして、気になっていた映画があるのだ。

携帯で調べると1時間後に始まる回のがあって。

早速チケットを予約すると出かける用意をする。

昨日のアルコールはもう消えたようだけど、いつもより念入りに歯磨きをした。

戸締まりをして外に出ると、今日は晴れていた。
傘を持たずに出かける。

平日と言うこともあって、館内はあまり混んでいなくて。

予約しておいた席に着くと、ラッキーなことに左右は誰も座っていなかった。

別に隣に人が居てもいいんだけど、やっぱりいない方が映画に集中できる気がするんだ。

場内が暗くなり、予告編が始まったところで途中から入って来た人がいるらしく。

すみません…と周りに声をかけながら俺の左隣に座った。

声の感じから女の人だと分かった俺は、あまり注意を払わないようにしていた。
本編が始まると、話に引き込まれていった俺は、映画が終りに近付くまで隣の人のことは頭から消えていた…


話の内容は、昔起きた実際の事件の犯人が女子高生だった、というもので、予告編から大方の話の流れは掴めていた。

しかし主演の女優の眼差しが真っ直ぐで。

この映画を観に来て良かったな…と思えるものだった。

ワンシーンづつ彼女が見せる表情に引き付けられて。

笑った時の口元が少し朋子に似てるかな、と思った。

終盤に差し掛かったところで、隣の彼女は泣いているようで。

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