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nao
恋愛リレー小説 - 同性愛♂

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nao 48

なんか俺、どんどん変になってってそうだ…

ヤバイかな。

「お〜、バッチリじゃん。明ありがとう。」

そんな俺の思いも、お前の一言で吹き飛ぶんだからすごいよ。

「いや、買って来てくれたのお前だし。」

後でこの分払うな?と言うと、味噌汁が旨いからいいよ。と笑顔で返された。

…インスタントだけどな。

主婦が料理を頑張ろうって思う瞬間って、こんななにげない一言からなんだろう…
風呂上がりのまだ濡れた前髪を掻き上げるアイツの指にみとれてしまって。

うなじとか色っぽいんだよ、コイツ。

…なんだかイケナイことを思ってしまった。

俺にそんなこと思われてたなんて知ったらショックだろうな…。

自己嫌悪。

「なぁ、お前はさ。どうゆうとこに惹かれた?」

「え?」

何聞いてんだろ。
そんなの聞いても自分が傷付くだけなのに。

やっぱいいや、と言う前にアイツが口を開いた。

「…笑った時の顔、かな?」

香とさ、歩いてるとこ偶然見かけて。
「実は前から朋子ちゃんのこと知ってて。」

「すごい良い顔で笑う子だなって印象だったんだよね。」

「でも名前とか知らなくて…」

「だから香と歩いてるの見た時、すごいラッキーじゃん俺、みたいなさ。」

トモコのことを生き生きとした表情で語り出した直樹に、みとれてしまった。


「明は?」

俺ばっか恥ずかしいじゃん。と笑うアイツに、俺は何て答えればいいのか分からなくて。

「俺は、なんだろ。」

「気付いたらハマってた、かな。」

「また人を好きになれるなんて思ってなくて。
だから、こんな感情持ってる自分にビックリした。」

好きなヤツ目の前にして何言ってんだろ…

なんか告白してるみてぇ。


─好きだって伝えたらどんな顔すんだろ。

怖いけど見たい気もした。


「なんか香がさ、」

そう言いかけて口を閉ざすアイツ。

カオリ?

どうした?と目で促すと、アイツは口を開いた。

「香が、明のこと聞いてくるんだよね。」

「普段人のことあんま気にしないから、珍しいな〜と思って。」

昨日の香の様子が思い起こされる。

なんであんなこと聞いたんだろ。
カオリ、真剣な目してたよな。

俺になんて答えて欲しかったんだろ。

「香さ、」

直樹の言葉で引き戻される。

「しっかりしてんだけど、変なとこ頼りないんだよね。」

明に似てる気がするんだ…

そう呟いたアイツの言葉にギョッとした。

カオリと俺が似てる?

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