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恋愛リレー小説 - 同性愛♂

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nao 45

心の中で一人溜め息を吐く。

「…でもよくこんなに一人で買えたな?」

アリサは車もバイクも持っていないはずだから、これを全て一人で運んだとなるとかなりの重労働になっただろう。

「カオリと直樹くんで買い出しに行ってくれて、ね?」

あ、なるほど。それでこの量ってわけ…

「お前らのサークル飲みじゃないんだから、ちょっとは加減しといてくれよ。」

直樹は自分でこんなに買うヤツじゃないから、きっとカオリの意見なんだろう。

横目でチラリとカオリを見ると、あまり後悔はしていないようだった。
見かけは清楚なお嬢様っぽいんだけど。

「アキラくんはお酒強いって聞いたから。」

清楚な笑顔でそんなセリフを吐くカオリに、俺は女の見た目にはもう騙されないぞ、と心に誓った。

実際カオリはよく飲んだ。
俺と和哉もけっこう強いとは思うんだが、まったく引けを取っていなくて。

トモコはあまり強い方ではないらしく、すぐに顔が赤くなっていた。

そんなトモコを心配そうに見つめる直樹の視線に気付いてしまったことを後悔した。

始まって一時間もすると、まともに喋れるヤツが減ってきて。
秋奈が潰れてしまったので、和哉が秋奈を連れて帰ってしまうと、部屋で生き残ったのはアリサ、カオリ、直樹、俺の4人で。

トモコは部屋の隅で丸くなって寝ていた。

ビールがなくなったのでカオリが焼酎のボトルを持ち出して来て。

普通だったら反対したんだろうけど、残念ながらこの時はもう普通の頭ではなくなっていて。

焼酎の炭酸割りが、炭酸の焼酎割になったころにアリサも潰れてしまって。

残り3人になったところで、直樹がトイレに立ち、カオリと2人になった。

「酒、強いんだな。」
見た目はお嬢様っぽいのに。
と言うと、カオリも笑ってくれて。

「…ずっと、聞いてみたいことがあったんだけど」

聞いてもいい?

そんな真面目な顔されたら嫌だなんて言えないだろ。

あぁ、と頷くとカオリ幾分か緊張がほぐれたようで、口を開いた。

「…あたしね、今日であなたに会うの5回目なの。」

4回目じゃないっけか?

「朋子のバイト先に来たことがあったでしょ?
その前にあたしはあなたに会ったこと、見たことがあるのかな。」

いつ?


「スーパーの所で、あなたの視線にすごく引き付けられた。」
スーパー…あの時? 

カオリの目を見つめる。

奥二重の、色素の薄い瞳が俺を映していた。

「どうしてあの時、」
カオリの声を遮るように台所の方で何かが倒れる音がした。

「直樹!?」

居間のドアを開けると、へたり込んでいるアイツがいて。

駆け寄って抱き起こすと意識はまだあるようだった。

ひとまずホッと一息吐くと、カオリに大丈夫だという笑顔を見せる。

直樹が潰れたこともあって、俺の家に連れて帰ることにした。

カオリも着いていくと言ってくれたが、夜道は危険なので丁重にお断りをした。

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