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nao
恋愛リレー小説 - 同性愛♂

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nao 44

「…誰かいるのか?」

応答なし。

「断っておくけど、俺強いから。」

もし俺のダチに手ぇ出してたらタダじゃ済まさねぇからな。
ボソッと呟いて土足のまま上がり込む。

裸足だといざって時に厄介だからな…
台所を通り過ぎて、居間のドアを開ける、


パンパンパンッ


お前銃は反則だろ…
と思ったら、部屋の電気が急についた。

「な、んだぁ?」

部屋の中には、直樹、アリサ、朋子、香、和哉に秋奈までいて。

「明、誕生日おめでと〜」

たんじょうび…

俺のか?

「今日、だったんだっけ。」
すっかり忘れてたや…
部屋の中央にはテーブルの上にケーキまで用意されていて。

その周りに用意されている料理も俺の好きなものばかりだった。

「ね、アキラ。感動してるとこ申しわけないんだけど…」

アリサの視線に釣られて足下を見ると、俺は靴を履いたままで。

「あ、ワリィ。」

俺、本当に不審者が中にいるもんだと思っててさ。と真面目な顔をしてそう言うとみんな笑ってくれて。

マジで焦ったんだぞ?と言って俺も笑った。

靴を脱いで玄関において来ると、ケーキに22本ローソクが刺さっていて。
22にもなってバースデーソングを歌ってもらえるなんて思っていなかったから、危なく泣きそうだった。

「泣きたかったら泣いちゃえよ。」

と和哉に言われたけど、いちお俺にもイメージがあるからさ、と言って誤魔化した。

ロウソクの炎を消す前に願いごとを一つ。

─ここにいるみんなが幸せになれますように…あと、あの人も─

そう願ってから火を吹き消す。
みんなからおめでとうって言われるだけで嬉しいのに。

直樹からプレゼントまでもらえるとは、もらうまでまったく思ってなくて。

はやる気持ちを抑えながら包み紙をほどく。

中から出てきたのは、アイツらしいセンスのいい黒のお香立てとお香で。

置物として飾っとくだけでも良いかもな、と思えるものだった。

他にも、秋奈と和哉からは食器セットを何故か二組。
知子と香はシルバーフレームの写真立をくれて。 
アリサは今日のこの会を企画してくれて、料理なんかもほとんど一人で用意してくれたらしい。
アリサの企画と聞いて、予想はしていたんだけど…

一体どこにしまってあったんだよ?と突っ込んでしまうほどのアルコールが出てきて。

男はまだしも、女の子引くんじゃないかな…と思ってチラリとトモコの様子を窺うと、かなり驚いているみたいだった。

「アリサ、いつもの飲みじゃないんだからさ。」

今日は女の子もいるし。と言うと、アリサはやっとトモコの様子に気付いたみたいで。

「大丈夫、ほとんどアキラのだから。」

と笑顔を見せていた。

おいおいおい、俺の分って何十本あんだよ。

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