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nao
恋愛リレー小説 - 同性愛♂

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nao 41

この時、本当に俺は泣くんじゃないかと思った。


気持ちがバレてると勘違いして告白したあげく、その告白まで勘違いされるなんて。

…あんまりだ。


アイツは、俺が安心して泣きそうになってると勘違いしてるし。

余計に泣きたくなった。

はっきり言わなかった俺も悪いんだろうけど…
でも女の子がさっきのセリフを言ったら、きっと伝わってただろ?

直樹が帰ると、俺はもう駄目で。
アリサに電話をかけた。

結局その日は朝まで付き合ってもらって。

相変わらず何も聞かずに付き合って飲んでくれるアリサに感謝をした。
「…アリサ?」

「ん?」

「ありがとな。」

今日何杯目になるか忘れてしまったビールに口をつけながら俺は呟く。

「なにがよ?アタシは飲みたいから飲んでんの。」

「本当、お前って…」
イイヤツだよな。

「ナニよ〜」


「…酒好きだよな。」


やっぱ照れ臭くて言えねぇや。

アリサに、言ってみようかな…
「アリサ、俺な?」

「好きなヤツいるんだ。」

アリサは黙って聞いてくれて。

いつもは饒舌なアリサだけど、こんな時はちゃんと話を聞いてくれる。

そんなところにいつも助けられて。


「でもソイツ、俺のこと友達にしか見てくれなくて。」

「俺、気持ち伝えたのに受け取ってもらえなくて。」


「…人好きになるのってしんどいな。」

アリサは無言でおしぼりを俺に差し出してくれて。

俺は自分が泣いていたことを知った。
─人前で泣いたのなんていつぶりだろう。


でも不思議と嫌な気分じゃなくて。

自分の中のモヤモヤが流れていくみたいだった。

───────

次の日の朝、目が覚めると見覚えのない天井で。

俺は一瞬自分がどこにいるのか分からなかった。

起き上がろうとすると、頭が痛くて。
布団にもう一度倒れこむ。

「…ん、」

女の声に驚いて隣を見るとアリサが寝ていて。

アリサだと分かって頭では分かっているのに。
一瞬、あの人が隣にいてくれたのかと思った。


…コイツ、俺にこんな寝顔見せちゃっていいのかな。


ともかく、このまま寝ているのはマズイと判断した俺は、ガンガンする頭を押さえて布団から抜け出す。

「…アキラ?」

「ワリィ、起こした?」

アリサも二日酔いなのか、ダルそうだ…

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