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恋愛リレー小説 - 同性愛♂

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nao 40

明が、俺が風邪で寝込んだと聞いてトモコが心配していたこと。


「そっか…」

これ、ありがとな。プリントを指差してそう言うと、直樹はいつになく真面目な顔になった。

「明、俺に隠してる事ない?」

「…いっぱいあるよ?」

中学ん時は坊主だったこととか、高校の時に赤点最高で5つ取ったことがあるとか。

あの時はマジヤバかったよ、と笑いながら言うと、

「そういうことじゃなくて、」

アイツは笑ってくれなくて。
分かってるけど言えないんだから茶化すしかねぇじゃねぇか。
明が、俺が風邪で寝込んだと聞いてトモコが心配していたこと。


「そっか…」

これ、ありがとな。プリントを指差してそう言うと、直樹はいつになく真面目な顔になった。

「明、俺に隠してる事ない?」

「…いっぱいあるよ?」

中学ん時は坊主だったこととか、高校の時に赤点最高で5つ取ったことがあるとか。

あの時はマジヤバかったよ、と笑いながら言うと、

「そういうことじゃなくて、」

アイツは笑ってくれなくて。
分かってるけど言えないんだから茶化すしかねぇじゃねぇか。
溜め息を一つ吐く。

「…何が聞きたいんだ?」

「明さ、この間LUCEに来たろ。」

俺は何も言えなかった。

…そんな俺を見かねたのか直樹が口を開く。

「俺、あの時窓際の席に座ってて。
自信なかったけど明を見た気がしたんだ。」

「どうしてあそこまで来たのに店まで入って来なかったんだ?」

それでも何も言わない俺に、アイツは重い口を開いた。

「…俺が朋子ちゃんといたから?」

その言葉に反応して顔を上げたが、直樹のまっすぐな視線に耐えられなくて顔を背ける。
「…やっぱりそうなのか。」

何秒間かの沈黙の後でアイツはそう言うと、腰をあげた。

「ごめんな、俺明の気持に気付いてやれなくて…」

「いっつも自分のことばっかだったし。」


「…でも俺、明の口から聞きたかったよ。」

あまりに悲しそうなアイツの声の響きに、俺は限界だった。

「ごめん…俺、ずっと言えなくて。
…ずっと好きだったんだけど、お前のことすごい大事で。
言ったら俺らの関係が壊れそうで怖かったんだ。」

すごく怖かった。
アイツの顔が見れなくて。
時間にしたら10秒もない沈黙だったんだろう。

でも俺は、その時が永遠なように感じていたんだ。


ストン、とアイツが俺の隣に座ってくれて。
グィッと肩を捕まれると顔をアイツの方に向かされて。

「明」

ヤバイ…怖くなって、思わずギュッと目を瞑る。

「俺、すごい嬉しいよ?」

ウレシイ?

「明がちゃんと言ってくれて。」

本当か?
俺お前のこと好きでいてもいいのか?

「同じ人好きになってもさ、俺たちの仲なんて変わんないよ。」

─えっ

「…だからそんな泣きそうな顔するなって」

えっ?

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