nao 4
「ふ〜。ありがとう明。」
ニコっと笑いながら俺のレポートを差し出すアイツ。
「じゃ〜明日はお前の奢りな?」
ニヤニヤしながら言う俺に、学食のメニューから選べよ?と苦笑いをする直樹。
「あ、それで明日なんだけど…」
県外の実家から通っているアイツは、飲み会なんかで家に帰れないと俺の家に泊まっていく。
もちろん俺はいつでも大歓迎なのだが、4年経った今でも俺に対して気を使うらしく。
申し訳なさそうな顔をする。
それがたまに俺はもどかしく。俺とお前の仲だろ?!遠慮なんかしてんじゃねぇよ。と昔言ったら、アイツは驚きながらも嬉しそうな顔をしていた。
「…その子も来るのか?」
メールを打っているアイツに、思わず聞いてしまった事を少し後悔した。
「あぁ、明後日誕生日でさ。みんなで祝うんだよね。」
おいおい、いいのか?
絶対勘違いすると思うぞ?その子。
―行かない方がいいんじゃないか?
喉までせりあがってきた言葉をグッとこらえる。
だって、それは嫉妬も含んでいるだろうから。
少しその子が羨ましかった。
「サークルのやつ?」
アイツの入ってるサークルは飲みサークルらしく、月に2回は飲んでる気がする。
メールを打ちながら俺の言葉を肯定するアイツ。