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恋愛リレー小説 - 同性愛♂

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nao 23

結局あの店では何も買えなかったので、家にあったカップラーメンを作ることにした。

お湯が沸く間、俺はコタツに入るとさっき渡されたものをコタツの上に置いてみる。 

やっぱり間違い無い…

直樹がたまにしてるシルバーの指輪。

アイツがつけてるのを見て、相変わらずセンスいいなぁ。と思ったからよく覚えている。

あの時も二人でコタツに入って、ミカンを食べてたから去年の冬だったんだと思う。
─────

「今日も寒いな〜」

「今年の冬は温暖化の反動でかなり寒くなるらしいぞ」

「マジ?…俺寒いの駄目なのになぁ。」

「お前雪国出身のくせに寒がりだもんな。」

実家帰ったらどうすんだよ、と笑う俺の言葉に、アイツは本当にどうしようか考えているみたいだった。

…この頃は、まだ普通に友達だったんだ。
「そいやさ、お袋がミカン送ってくれたんだよ。直樹も食うか?」

いいの?と嬉しそうに遠慮がちに言うアイツがおかしくて。

駄目って言ったらどんな顔するかちょっと見たくなった。

…結局、一緒に食べたんだけどさ。

ミカンを剥くアイツの手に、何でか惹かれた俺はその理由に気付く。

「それ買ったのか?」

人指し指に嵌っているリングを指差しながらそう言うと、アイツはミカンをくわえたまま頷いた。
シルバーの、ごついんだけどシンプルな指輪は直樹の綺麗な指によく似合っていて。

俺が眺めていると、アイツは指から外して俺に見せてくれた。

「あれ、ここ傷付いてんぞ?」

リングの内側に、何かで擦れたのか溝がついていた。

指につけている分には分からないが、几帳面なアイツにしては珍しいと思った。

「あ〜、それね。」

渋い顔をして言うアイツによると、兄貴に貸して、返ってきたらこうなっていたらしい。
アイツのことだから、返ってきた指輪を見てその傷に気付いても、何も言えなかったんだろうなぁ。と思うと、なんだか可哀想に思えて。

「お前も苦労してんよなぁ。」

俺が少し茶化したようにそう言うと、アイツはただ一言

「…このミカン、旨いね。」

と幸せそうな顔で笑った。

そんなに食いたきゃいっぱい食えよ。と俺が言って今度は二人で笑った。


だから、俺は確信を持って言える。

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