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nao
恋愛リレー小説 - 同性愛♂

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nao 12

覚えてんのかな…。
コイツ、昨日のこと。

「なぁ明、…」

「ん?」

なんだよ。この展開…

「俺な、」

嫌だ、聞きたくない。分かっててもお前の口から違うヤツが好きだなんて…

「しばらく学校来れないと思うから。」

「そっか……って、え?」

「だから俺、就活が最近忙しくてさ。学校来れないと思うんだよね。」

「そっか。じゃその間のノートとか任しとけよ。」

俺が上機嫌なのが、アイツは不満だったらしく。
ちょっとは寂しいとか思えよ。って苦笑いされた。

そりゃもちろん寂しいけど、そんなこと言えるわけないだろ。

俺の場合、冗談にならないんだから…。

「じゃ、またな。」

次の授業はお互い別なものを取っているので、学食を出たところで別れる。


なんとなくホッと溜め息を吐いていたら、

「アキラ」
ウルサイのに捕まった…

「アリサ、久しぶり。」

俺はなるべく急いで見えるように、チラチラと時計を見る。

「なに、アンタ久しぶりにアタシに会ったのに、授業出ちゃうわけ?」

お前の話は長いし、つまんないから聞くの嫌なんだよ。

聞こえないように言ったつもりだったのに、アリサには聞こえていたらしい。

「失礼しちゃうなぁ。アキラが一人で寂しそうだったから声かけてあげたのに。」

ったくコイツは…

アリサは昔からこんなヤツで、俺の数少ない女友達の内の一人だ。
アリサと俺は中学校からの付き合いで、アリサがまだ化粧もしてないころから知ってるため、コイツは俺の前では女を作らない。

それが俺には心地よくて、たまに飲みに行ったりもする仲だ。

ただ一つだけ問題が。

コイツと俺は気が合いすぎるんだ。

良い意味でも、悪い意味でも…

「ねぇねぇ、直樹くんは?今日は一緒じゃないの??」

「アイツは就活で忙しくて、しばらく学校来れないってよ。」

いきなり女の口調になったアリサに、少し突き放したようにそう言うと、コイツはあからさまにガッカリしたようだ。
「そっかぁ…」

さすがに良心が痛んだ俺が、

「…今日は来てるけど。」

と言ったら、

「本当に??」

急にハシャギだしたな。コイツ。
さっきまでの落ち込みようがまるで嘘のようだ。

「ま、じゃ俺行くわ。運が良けりゃ会えんじゃねーの?」

「あ、アキラ!」

授業へと急ぐ俺を呼び止める、アリサの声に振り向く。

「ん?」

「…サンキュ」

コイツも、いつもこんな顔してりゃモテるだろうに。

そんなことを考えながら軽く手を上げて教室へと急ぐ。

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