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初カレ
恋愛リレー小説 - 初恋

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初カレ 10


苦しい…

苦しいけど止まれない
止まりたくない…


嘘…

止めてほしい…




「葵!」

葵の腕は亮平に捕らえられ そのまま抱きしめられる

抵抗したいけどそんな力は残っておらず ただ亮平の腕の中で泣くことしかできなかった


「悪かった…マジ俺…あんな噂考えもなく肯定して…」

『やめっ…い…から…平気…だからっ…いつも…こうだし…』

「なにが平気だよ…痛ーじゃん いつもこうってスゲー痛えだろ!?」

『っだから…アタシ素直にっ…なれな…
この前…っヒドイ事…言った…
りょへーに…野球っ…部に…ヒドイ』
「ドリンクの件かよ…あんなの誰も気にしちゃいないよ…」

『で…でも…亭主関白が…嫌だとか…こんな…こんなことしたくないとか…我侭…言った…』

「馬鹿だな…あれは俺の方が悪かったと思ってんだ…
いくらマネージャーだからと言って、各々にドリンク配って回らなくちゃいけないことはないし…
あんな重たいドリンク運んだら、誰だってやりたくないって思うのは当然だ…」

亮平の腕に力が込められたのが分かった。
背に回された手が、慰めるようにポンポンとそこを撫でた。

「僕も悪かったんだ…」
その声に顔を上げると、岸本が申し訳なそうに横に立っていた。
「今までマネージャーなんていたことなかっただろ?
だから、どう扱っていいのか部長の俺も分からなくてさ」
そう言うなり、岸本は亮平ともどに葵を抱き締めてきた。

「帰ってきてくれよ…」

葵は亮平の腕の中で、そしてその2人を抱き締める岸本の腕の中で
今まで味わったことのない、温かさを感じていた。


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