PiPi's World 投稿小説

学園の花婿
官能リレー小説 - レイプ

の最初へ
 202
 204
の最後へ

学園の花婿 204

良一君の事が好きとか嫌いとか、そんな感情は無かったけど、私は外で見る事しか出来なかったの。
…だって…私、イジメられるのが怖かったから…」
「…………。
……ひなさん、貴女っ…… いえ、何でもないわ」
かがりはひなの最後の言葉を聞いて何か言おうとするが、言わずに言葉を飲み込む。
もし自分がその立場にいたら…そう考えたのであろう。
人間、誰しも保身を考える。もし、良一を助けていたら、ひなは良一と同じでイジメられていたであろう。
小学校、中学校という閉鎖空間はそんな場所なのだ。
かがり自身はイジメられた事もイジメた事も今まで無かった。
だが、イジメはかがりの中学校にも存在したし、かがりの親友もイジメに合った事があった。その時かがりはその親友を守るべく、イジメっ子達に立ち向かったのだ。
親友がイジメられていたから、イジメられる辛さは分かるつもりだ。
ひなにとって、今のかがりの良一に対する態度がイジメに見えたのであろう。
「ひなさん、今の話を聞いたからといって、私の良一君に対する考えは変わらないわ。
でも…貴女が考える様な事は決してしていないし、するつもりは無いから安心して」
かがりはそれだけ言うと、ひなから逃げる様に去って行く。
その顔は苦渋に満ちており、その顔をひなに見られたく無かったのだ。


アップルパイはというと、良一が殆んど一人で食べてしまっていた。
麗那・セリ・唯は良一が「お姉ちゃんにもあげる」と気を利かせた為食べれたが、他の者には目もくれず、その三切れ以外は良一が食べ尽してしまったのだ。
「お姉ちゃん、大好き♪」
アップルパイを食べ終わった良一は、余程嬉しかったのか、麗那に抱きつき、犬がじゃれる様に顔を麗那に押し付けている。
麗那は良一のそんな様子を見て、アップルパイを作って本当に良かったと思うのであった。


ティータイムを終えた頃、生徒会が歓迎遠足の終わりを告げる。
今回の歓迎遠足で、生徒達は少しずつだが良一と話をする事が出来た。
良一と同じクラスではない上級生にとっては、たった一言二言だけでも至福であり、たったそれだけで良一の全てを知ったという錯覚に陥ってしまっている。
「皆さん、明日からG.Wです。約10日ありますが、良一様の為に努力を怠らないで下さいね」
桃華のこの言葉で遠足は終わり、生徒達は片付け、寮に帰って行った。

「良一様達はお帰りにならないのですか?」
生徒会も粗方片付けた所に、湖の側でお喋りをしている良一達の元に桃華が近付く。
「ええ。生徒会の子達も終わったら帰して良いわよ。桃華ちゃんは終わったら報告に来てね」
桃華が頷き、会場の方に戻ると、麗那は少し離れた所にいるサラを呼ぶ。
「もう少しみたいだから準備を宜しく。梓先生にもそう伝えて」
「畏まりました」
サラは警備局の者を連れてどこかに向かう。
それを確認した麗那は再び良一とお喋りを始めるのである。



SNSでこの小説を紹介

レイプの他のリレー小説

こちらから小説を探す