メスは戦うことよりも、逃げることよりも、子宮を精液で満たし孕むことを求める習性ができていった。
射精すると、興奮が冷めて落ち着いてしまい、勃起せずにすぐに交尾を続けてすることができなくなるオスが増えていったからである。
まだ稲作ではなく、狩猟をしていた縄文時代には、人の寿命は短く、生まれてくる子の生存率も低かった頃には、男性は一夜をぶっ通しでまぐわい続けることができたという学説がある。
発見される人骨から、どのぐらいの寿命だったのか推定したことで、絶滅しないためには、２年おきに女性が子を出産していたと考えられるからである。３０歳前後の寿命しかなかった縄文時代の人間たちが絶滅しなかったのは、おそらく男性と女性がパートナーとしてまぐわうのではない、今なら乱行と呼ばれる行為で昼間や夜も焚き火を燃やし、火をおそれる獣の習性を利用して、まぐわいを儀式として行っていたらしい。
縄文時代の情報は壁画や出土品から学者たちによって、世界の狩猟民族などの暮らしなどを参考にして想像されたものであり、それも１万年ほどの期間とされている。
地層の調査から温暖化の影響で針葉樹から、落葉広葉樹林や常緑広葉樹林に移り変わっていったのが判明している。
その影響で狩りをして捕らえられる食糧の動物が、ナウマンゾウや大型のヘラジカなどが絶滅して、イノシシや鹿やウサギに変わっていったと考えることができる。
縄文人の着ていた服は、土の中で腐ってしまったので、実物を見ることは今ではできない。考古学者は土偶や土器の模様と、縄文時代の後の時代の人々の服装から、縄文人の服装を想像している。
北海道に生活していたアイヌ民族の人たちが、縄文人の末裔だとする学説もある。
縄文人が現代人にくらべれば短い寿命であったが絶滅せずに、渡来系弥生人とまぐわって、日本人の先祖を産んだ。
縄文人の特徴は、二重瞼で彫が深く鼻が高い、顎はがっしりしていて顔の形もしっかりしている。弥生人の特徴は、一重瞼で鼻は低く、顎はシャープで、顔の形は面長であった。日本人はその両方の顔つきを受けついでいるとされている。