華散 2
男のピストンは時間を追うごとに強さ、激しさを増す。
それに意識が吹っ飛びそうになる。もう、ダメ…
「おおっ、いくぞ、中にたっぷり出してやるからな!」
「あっ!?あぁ、ダメ、中はやめて!!」
「うるせぇ!………うっ、おおっ、出るっ!!」
「あぁああああぁっ!!!ダメぇえええええ!!!!」
ドク、ドクと膣に熱い塊が流し込まれる。
「あぁぁ……いや、中、ダメ、なのにぃ…」
失意とともに私の意識はいったん薄れる……
気がついたときには男の姿はなかった。
あれから何度犯されたかはわからないが、たっぷり中出しして満足して帰っていったのだろう。
私は起き上がりヨロヨロと風呂場に向かい、さっきの悪夢のような出来事を忘れるようにシャワーを浴びた。
「凛姉、お風呂?珍しいね、こんな時間に」
少しスッキリして風呂場を出ると妹が帰ってきていた。
私は姉と妹と三姉妹で、このマンションで暮らしている。
妹…華音は、私とは違って完璧だ。
優しい、気遣いも欠かさない、料理も家事も何でもこなす、私みたいにスレてない、本当にいい子だ。
そんないい子の妹が両親と喧嘩して家を出てきて姉の住むここに転がり込んできたのは信じられなかったが、まあ、彼女にも譲れないことがあったんだろう。
そんな妹を受け入れる姉…華恋もまた懐の広い、私…華凛にとっても非常に尊敬すべき存在だ。
これから就職活動に入る私は、姉のようにちゃんとした社会人になれるかどうか…日々そう思うようになった。
「凛姉、後で勉強、教えて欲しいところがあるんだ…時間いい?」
「いいけど…」
妹も大学受験を控えている。
親との喧嘩の主たる原因はそこらしい。私より成績が良いのだからもっとランクの高い大学でも合格できるはずなのだろうが、この子は私と同じ大学に行きたいと言った。
そんな私だって姉を追いかけて進学したようなものなのだが。
姉妹揃って似たようなものなのか。
……………
妹に勉強を教えてから結構時間が経った。
そろそろ姉が帰ってくる頃だが、その気配はない。
「恋姉遅いね」
「きっと残業だろうな」
社会人ってきっとそんなもんだろう。
来年の春には私だって、きっと……
姉が私と同じ、大変な目にあっていたことは、この時はまだ、知らなかった。