奴隷市場 11
それだけは、いやだな。
もう、あんな思いはしたくない。
ほんとは、痛い思いもしたくない。でも、ご飯がそれでお腹いっぱいになるまで貰えるのなら、私は耐えられる。
でも、もうお腹空いてるときに痛い思いをされるのはやだ。
そうされたら、死んでしまうと思う。
今のご主人さまみたいに、私にとてもやさしくしてくれる人だったら良いなあ。
そしたら、安心して身体を差し出しても、暖かい思いができると思うから。
でも、あの女性にご主人さまを取られると思うと、ちょっぴり悔しいかな。
私の身体には魅力はないけど。やっぱり捨てないで欲しいな。奉仕したい。
今のご主人さまに思う存分身体を使って貰って、そして、許してくださるなら、ご主人さまとの子を産みたい。
そう決心した私は、書斎から出て、階段を下りてご主人さまとあの女性が入っていった部屋まで急ぐ。
ご主人さまを、盗られたくない。
もともと私はご主人さまに「奴隷」として買われた身だけど、奴隷らしいことは全然させて貰ってないのだから、セックスの邪魔をしたぐらいで、そんな咎められないだろう。
そんな気持ちでドアを開けた私。
ところが、異様な光景を目の当たりにして驚いてしまった。
「…!」
ベッドの上で、あの女性がご主人さまの上に乗って腰を動かしていた。
驚いたのはそこではなくて、女性の背中から紫色の翼が生えているのだ。
「んー!はぁ。今ので6回目だわぁ〜。カルアの、濃くて量が半端じゃないから、大好き。…ね、やっぱり私専用の精液奴隷になってくんない?復讐なんてヤメてさ。私とずっとハメハメしてよ。そうすれば、死ぬまでずっと気持ち良いままでいられるのよ?」
「無理な相談だな。…俺は、復讐を遂げる為だけに生きているんだから。……第一、お前の奴隷になりでもしたら、命が幾つあっても足りん。」
ご主人さまの返答を聞くなり、女性は腰を振るのを止めてケタケタ笑いだした。
「アハハハハハ。確かにそうかもしれないわね?カルアのチンポ美味しいんだもの、あっという間に搾り尽くしちゃうわね!…でも、その分気持ち良く逝かせたげるわよ?」
「やめてくれ。お前に本気で迫られたらと思うとぞっとする。」
女性は腰振るのを再開する。
「ふふ。カルアったら可愛いんだから。…ね、覗き魔さんがこっち見てるわよ。何か言ってあげたら?」
「あ、えっと…」
ご主人さまが私を見ると、後悔の念が押し寄せてきた。でも…
「…アシュメか。悪いな。こんな時間まで。」
「あっ!?カルアあの子に優しいー!ねえねえ、私にも優しくしてよ〜。」
あの女性が黒い尻尾をゆらゆら揺らしながら、激しく腰を振り始める。
「ぐっ!?こらやめろ!俺を殺す気か!」
ご主人さまが怒った。
「やん、怖い〜。もう。あの子には優しいんだから。」
女性はご主人さまのチンポを抜くと、精液がドロドロと溢れた。
「あは。相変わらず、すっごい溢れちゃう。勿体ないわね。」
女性は、溢れ出る精液を指で掬うと、口に入れて飲みこむ。ああ…
「今、『美味しそう』って思ったでしょ。」
「!?……え…」
言い当てられたのに、更に驚いた。
「貴女、面白いこと考えてるのね。お姉さん、興味沸いてきちゃったぁ。ねえカルア、この子貰って良い?良い淫魔に育てるわよ?」
「……え、と。」
セックスの邪魔しちゃったから、怒ってると思ったのに。