ミニスカポリスを捕獲せよ 5
怪しげな薬を用いて女性を毒牙にかけていた男が目の前にいて、今のような状況……その連想は、恵の中でごく自然に行われる。
薬、だ。
被害者への事情聴取の一部は恵自身が行ったし、報告にはすべて眼を通した。
だから、この男の使う薬がとてつもなく、女性にとって危険なモノだという認識がある。
振り払うようにして男の口を逃れ、飲み込まされたものを吐こうとした。
「無駄だ。効果はすぐに、現れる」
男の、無情の言葉を耳にした瞬間、恵の身体がビクン、と震えた。
「うあ…ぁ…ぁ」
被害者女性の事情聴取の際に、自分がどのように陵辱を受けたかを涙混じりに語っていた女性が、男に飲まされた薬の件になると、目元をかすかに染めてうっとりとした表情で語りだしたことに、恵は恐怖を感じたことを思い出していた。
「(あ、あぁ…ン。こ、これが…そう…なの?)」
さっきまであれだけ不快だった、男どものぎらついた視線が、ピリピリとした心地よさを与えてくれる。
タバコ臭い息、体臭。
「あ、あぁ…」
ニヤニヤと見つめる男たちが、なぜか自分たちから距離を取る。
「ま、待って…」
ハアハアと、呼吸は浅く、荒く。
下腹部が、カアーっと火照り、ズキンズキンと疼いている。
ミニスカートから伸びた太ももが、刺激を求めて内股になり、膝を震わせながらお互いをすり合わせる。
「ね、ねえ…」
よたよたと、尿意を耐えるような無様な格好で男に擦り寄ろうとしてしまう。
「おいおい、ちょっとキスされただけで発情したのか?」
違う、これは薬の…
言葉が出ない。
意思に反して、身体は媚びるように動く。
「だから言っただろ?ミニスカポリスの連中は、みんな欲求不満の、どうしようもない淫乱だってな」
「そうだな。あんないやらしい格好、まともじゃできねえよ」
「見られて感じてるんだぜ」
「淫乱で露出狂ってか」
男どもの野卑な言葉に、震える恵。
羞恥と性的興奮に耐えながら、必死で思考を巡らせる。
連中が自分に何を求めているのか?
連中が望む通りにすれば、このどうしようもない自分の欲望を満たしてくれるはずだ。
「あ、あぁ…ン。ねえ、助けて…助けてください」
哀れっぽく、泣く。
演技だ、これは演技。
男に擦り寄ろうとしてかわされ、たまらずしゃがみこむ。
手錠をカチャカチャ鳴らしながら膝立ちになって、男たちに向かっていやらしく胸を突き出すようにして背をそらす。
尻の方から股間に向かって手を伸ばす。
欲望に負け、自分を慰める女。
この連中は、欲望に耐えられなくなだろう。
そう確信して、恵は震える指先で自分の股間に触れた…。
「ンぅっ、ン〜〜〜っ!?」
演技も理性もぶっ飛んだ。
身体がビクンビクン震えて、ブリッジするように倒れていく。
「ンはぁっ!く、ふぅぅんっ!」
震える指先に絡みつく媚肉。
止まらなかった。
自分が、なぜ下着をはいていないのかという疑問は、まったく浮かばない。
手錠による拘束と、普段とは違う尻側から手を伸ばしていることが、恵の愛撫そのものをままならぬモノにしていた。
周りの男たちが何かを言っている。
おそらく自分を辱める言葉であろうが、恵は自分の快楽を掘り起こすことを優先した。
無理な体勢にも関わらず、腕を伸ばそうとする。
しかし、快楽に跳ねる腰の動きが邪魔をする。
「あ、あぁン!い、いやぁっ…」
涙がにじむ。
腰の動きを止めなければイケない。
興奮と快楽にぼけつつあった恵の中に閃いた考え。
指先でドロドロの愛液をすくい取り、尻穴に塗りつけていく。
これで…指を突っ込んで、尻の動きをコントロールすればっ!
腰を浮かせ、オ〇ンコと尻穴を男どもの視線に晒しつつ、恵は真剣だった。
くっ、くっ、と指先を軽く沈め、くるくると周辺をなぶりながら第一関節を。
そして、一気に根元まで。
「う、くううぅぅ〜!」
ピクピクと震えてはいるものの、腰の動きが見事に止まった。
まるで、開発済みのように、根元まで指を受け入れた己の尻穴への疑問を感じることなく、恵は気もそぞろにオ〇ンコへ指を伸ばそうとする。
そこに悲劇は起こった。
「え、え…な、んでぇ…」
だらしなく、口元からヨダレを流しつつ恵は叫んだ。
届かない。
オ〇ンコまで指が届かない。
手錠で繋がれた片方の手の指を根元まで尻穴に埋め込めば、それは届くはずもないもないのだが、恵は本気でわけがわからないようだった。